新年度の忙しさが、防犯対策の敵

 第二部では「セコム働く女性の安全委員会」の寺本美保さん、永間幸恵さんより、女性が知っておくべき防犯対策に関する講演が行われた。「新年度は仕事もプライベートもなにかと忙しい時期で、ついつい防犯対策を怠りがち。そのスキが狙われるのです」と警告が。

 最初に、自分の防犯意識を確認するための危険度のチェックが行われた。

歩きながら携帯で話したりメールしたりする
女性らしい柄のカーテンをかけている
毎日同じ時間の電車、同じ車両に乗っている
表札や郵便受けにフルネームで名前が入っている
帰宅が深夜になっても歩いて家に帰る
行きつけのコンビニがある
夏は窓を開けて寝ることがある
ゴミ出しくらいの外出なら、鍵はかけない
トートバックを持ち歩くことが多い
高いヒールの靴が好き

 上記項目は、防犯対策としては、すべて間違い。当てはまるものが多いほど防犯対策ができていない証拠という。チェックが7~10個は防犯初級者。まずは自分の身の周りで起きている犯罪を知ることから始めよう。

 4~6個の人は中級者。身の回りにどんな危険があるのかを知って、自分に合っていて続けられる防犯対策を知ろう。3個以下の人は上級者なので、ステップアップした防犯対策を取り入れればよい。

 さらに、「『近年は犯罪件数が減っている』というニュースを耳にしますが、女性は狙われ続けています。女性が狙われやすい点は何かを知ることが大事」と、女性が遭う可能性の高い犯罪とその対策法が語られた。

ひったくり
バイクや自転車で背後から近づき、すれ違いざまにバックを取られる。女性はバックの中に貴重品をすべて入れていることが多いので、狙われやすい。

<対策法>
・スマホの操作や音楽を聞きながら歩かないこと。安全委員会の実験では、スマホを見たり、イヤホンをして歩くと、後ろから来た人の気配が自分の真横に来るまで察知できないことが分かった。ながら歩きは絶対に止めよう!

・背筋を伸ばして、ときどき後ろ振り返りつつ足早に歩く。バックは車道の反対側に抱えるように持つ。口の開いたトートバックは、ハンカチなどをかけて中身が見えないようにする。車道から離れて歩道の建物側を歩く。

・疲れていると、暗い道でも近道を歩きたくなるが、遠回りでも明るく人気のある道を選んで歩こう。

エレベーター内の危険
エレベーターは逃げ道のない密室!

<対策法>
・立つ位置は階数ボタンの前に。壁側を背にして角に立つと、エレベーター内の死角がなくなる。スマホの操作はせず、イヤホンは外し、周囲に気を配る

・エレベーターが来るのを待っている間に、見知らぬ人で怖いなと感じたら、「先にどうぞ」と声をかけて、やりすごす

・見知らぬ人で怖いと感じた場合には、携帯が鳴ったふりをしてエレベーター降りると、相手にイヤな思いをさせずに降りられる

セコム働く女性の安全委員会より女性のための防犯の大切さが語られる
セコム働く女性の安全委員会より女性のための防犯の大切さが語られる