高橋さんの魅力に抵抗せずにひれ伏す私たち

 高橋さんには屈してしまう―その理由を個人的に推測してみました。

 星野さんは、ファンや視聴者が抱く複雑な気持ちをきちんと受け取ってしまうところがあり、そんなことを文章にしたためたり、しゃべる機会があったりするところが関係しているのではないでしょうか。ファンもアーティストも共に複雑な自意識を持っていて、それが共鳴してしまうから、ファンが「屈しない」と言ってしまうのではないかと。そこは、星野さんが、直接お客さんを目の前にライブをする職業もしているということも無関係ではないと思います。

 ところが高橋さんは、モデルプレスのインタビューで「高橋さんの“可愛さ”にハマる女性が今急増中です」と言われても、「自分のやりたいようにやっているだけなので、『可愛い』って言ってもらえると『恐縮です』って感じです。こうやって取材のときに言っていただくことはあるんですけれど、ネットは見ないので、反響とか分からないんです」と答えています。つまり、こちらが何をイメージしても、それを受け止めさらりと流し、自分は自分であるというところに戻れる人なのだろうと思います。

 そんな風に、こちらの思いに距離を置いているからこそ、見ているこちらは何のてらいもなく、「高橋一生好きだ!」「高橋一生にこんな役をやってほしい!」と言えるのではないかと思うのです。

文/西森路代 イラスト/川崎タカオ