あなたもそうかも? インポスター症候群の特徴とは

 さて、冒頭の「棚ぼた」発言(自分の成果を運の良さとして片付ける)からもお気付きかもしれませんが、私もどうやら多少なりともこのインポスター症候群の傾向があるようです*2

 インポスター症候群の特徴は、不健全な完璧主義になりやすいこと。「ミスをしたらがっかりすべきだ」と考えたり、失敗や批判を恐れ、他人をがっかりさせているのではないかと過剰に心配したりするのです。

「周囲は私よりもはるかに能力がある」、「私は人一倍頑張らないと失敗する」といったマインドセットもこれに該当します。もちろんこうしたモチベーションで頑張れないこともないのですが、自分に掛かるプレッシャーなどを考えると限界があると思います。

 不健全な完璧主義者はつまり「イマイチな自分」では周囲から認めてもらえないと思っています。周囲からは完璧じゃないとイヤだというワガママな人に見えるかもしれませんが、本人は他によりどころがないからなんとか長所をでっち上げ、周囲になんとか認めてもらおうとしているのです。

インポスター症候群は7割の人が経験する

 このインポスター症候群、なんと7割の人が経験するといわれています*3。興味深いのは女性と男性で対処法が違うこと。男性よりも女性の方が「頑張る」ことでそれをカバーしようとする傾向にあるのです。

[引用]135人の大学生を対象にしたある研究*4では、不安やインポスター症候群のスコアが高い女性は自分の実力を示すため、周囲よりも一生懸命仕事に打ち込み、競争心を燃やす傾向にあった。一方、同じ項目で高いスコアが出た男性は、自分の弱みが表に出るような状況を避ける傾向にあった。彼らの第一のモチベーションは、周囲に自分の強みを示すことができそうなタスクを追求することで、常に自分の力を周囲に見せられる状況を作ることだった*3

 常にすごく頑張っているのに、「私は人よりできない」「不器用」とぼやいている女性はいませんか? もしかしたら「これ私じゃん!」と思う人もいるかもしれません。

 過剰に頑張るという傾向に加え、過剰にやらないのもインポスター症候群の特徴の一つだといわれています。心理状況としては「挑戦しなければ失敗もしないはず」というものです。

[引用]自分の失敗を自身の能力ではなく、準備不足のせいにできるようにあえて十分準備せず何かに臨んだり、ギリギリまでやらなくてはいけないことを後回しにする。*5

 こんな人にも遭遇したことはないでしょうか?