この連載では翻訳・通訳者の相磯展子がNY発Webby Awards受賞サイト99Uや英語圏サイトのライフコーチ、ビジネスパーソンなどの仕事のノウハウを紹介。30代女性が仕事で直面する悩みや課題に立ち向かうためのアイデアやヒントを発信していきます。

 机に座り仕事に向かうものの、どうも気が散って仕事が進まない。そんな時、あなたはどうしますか? ぼーっとする頭で無理やり仕事に集中しようとするのでしょうか?

 高い集中力が持続的に続き、パフォーマンスがピークに達する「フロー」という概念は、ハンガリー出身の心理学者Mihaly Csikszentmihalyi(ミハイ・チクセントミハイ)が提唱したものです。1990年に出版された『Flow: The Psychology of Optimal Experience』(邦題『フロー体験―喜びの現象学』)では、「フロー」が次のように定義されています。

[引用]ひとつの活動に深く没入しているので他の何も問題にしなくなる状態、その体験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするということのために多くの時間や労力を費やすような状態。
(世界思想社『フロー体験―喜びの現象学』より)

 上記の定義は遊びに没頭する子どもを思わせます。長年オフィスワークをやっているうちに、そんな感覚はすっかり忘れてしまったかもしれませんが、この「遊んでいるような感覚」こそが、仕事での集中力を高め、パフォーマンス向上につながるのです。

 集中できず困っている人は、この遊んでいるような状態を再現する努力が必要です。