フロー状態の九つの特徴

 Csikszentmihalyiがその後出版した『Creativity : Flow and the Psychology of Discovery and Invention』(1996)では、フロー状態の9つの特徴が挙げられています。

[引用]
1.どの段階においても、はっきりとした目標がある
2.行動に対して、すぐにフィードバックが得られる
3.課題とスキルのバランスが取れている
4.行動と意識が統合されている
5.気が散る要素は意識外にある
6.失敗する心配がない
7.自意識の喪失
8.時間感覚が歪む
9.内発的な動機で行動している

 今回は上記のリストの中から、特に重要だと思われる「すぐにフィードバックを得る」「失敗を恐れない」「内的な動機から仕事をする」という三つのポイントを取り上げます。

失敗に対する心配をなくす

 スポーツでも同じですが、「失敗したらどうしよう」「期日までに間に合うだろうか」などと頭で考えているうちはいいパフォーマンスは望めません。なぜなら失敗の想像ばかりしている時は、目の前の仕事に没頭できないからです。

 周囲の評価、失敗への恐れは一度脇に置きましょう。そして仕事を進めることだけに集中しましょう。もう一つ助けになるのは「失敗」や「イマイチな仕事」は当然だと考えるマインドセットです。失敗や十分とは言えない仕事を、先に進むための一過程と捉えるだけで心配や不安がずいぶん軽減されます。

 失敗への恐れを取り除くことで、「自意識が薄れ」、「行動と意識が合致」し、初めて自分の能力が発揮できるのです。