4. それでもどうにもならないときは……

 相手に共感を持って接するだけでは、対処できない状況ももちろんあります。そんなときは、自分の許容範囲とも言えるバウンダリー(境界)を認識しましょう。バウンダリーは個人個人で違います。 あなたにとって何がOKで、何がNGでしょうか?

[引用]自分のバウンダリーを持つことで相手に、「私は共感、寛容な態度を持って、あなたを判断、評価する一方で、自分にも正直でいる必要がある」と言うことができる。[…] バウンダリーが侵害されるということは日常的に起こる。そんな時、相手に責任を持ってもらうためには私たち自身が立ち上がる必要がある。もちろん、とびっきりの思いやりと寛容さを持ってだが。
(Inkling TV「How to manage anger towards others」)

 1~3を経てどうしても状況が解決されない場合は、思いやりの立場から自分にとって何がダメで、何がOKかを相手に伝えましょう。共感と思いやりの姿勢を持って相手にアプローチするだけで、その後の進展はずいぶん違ってきます。何より、自分の立場を主張し、相手から共感を求めるという行為は、大きな自信にもつながります。

 怒りを感じる状況を、単なる「勝ち負け」の問題に収束させる必要はありません。それはあなたの問題ではなく、単に埃を払い、次に行くという対処が必要なことかもしれません。またそれは、相手としっかり向き合い、自分の立場を伝えるべき状況かもしれません。状況に合った、適切な判断をしましょう。

 そして、くれぐれも何も考えないまま相手に怒りをぶつけないように。大事なのは相手でなく、自分がどんな態度を取るかです。

文/相磯 展子

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