努力すべきなのは上司・先輩だけではない

 もちろん努力すべきなのは上司だけではありません。部下のコミュニケーションに対する努力も重要なのです。「Harvard Business Review」誌の元編集者Karen Dillon(カレン・ディロン)は、上司と部下がぶつかった際、部下がすべきことを挙げています。その中からいくつかをご紹介します。

[引用]
影に隠れない。《中略》上司が関係の改善に歩み寄るのを待つのではなく、理性的で落ち着いた状態のときに自分から誤解を解きにいくべき。

上司はあなたとのトラブル以外にも対処しなくてはいけないことがあることを認識する。あなたの上司は、誰もがそうであるように、ストレスや期待はずれのことに対して人並みに反応する。上司はあなたが今の状況では気づけかない理由で、目下の状況に大袈裟に反応しているのかもしれないということを覚えておくべき。

上司と再度関係を調整する。上司と同じ視点を共有する努力をする。相手をがっかりさせることを避けたいということを伝え、相手の優先事項を聞き出すこと。締め切りを守ることがもっとも重要なのであれば、あなたは締め切りに遅れる前に上司とコミュニケーションをとるようになるだろう。《後略》  (Karen Dillon「Don’t Hide When Your Boss Is Mad at You」より)

 対立するのは当たり前のことです。大事なのは対立が起きたときに、双方がしっかりコミュニケーションを取ること。それは一見めんどくさく、チャレンジングなことに思えますが、会社の価値が人材である限り、こうした人間関係の維持は本当のところ非常に重要なのです。コミュニケーションひとつで、上司も部下も成長、改善の契機を得られたり、得られなかったりするのです。さらにそれは仕事の質や、働きやすさにも影響してきます。

 誰もが面倒くさいと思う人間関係の維持ですが、そこでの努力は必ず実を結びます。

文/相磯 展子

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