私たちは1日の半分は「心配」している

 前置きが長くなりましたが、今回は「心配」というテーマを取り上げたいと思います。

[引用]研究によると私たちは起きている時間の47%を、実際にやっていることとは違うことについて考えている。つまり、私たちの多くは脳が考えていることを認識することなく日々を過ごしているのだ。
( The Greater Good Science Center at the University of California, Berkeley 「 How to Practice Mindfulness Throughout Your Work Day」より)

 私は「あのメールまだ返していない……」「プレゼンはうまくいくだろか……」「まだ全然仕事が終わってない……」といった「心配ごと」は、仕事にとってはマイナスな影響しか及ぼさないと考えています。「心配」は仕事で起こりうるリスクに対処できるため、プラスに働くという主張も目にしますが、そのプラスよりもマイナス面の方がむしろ大きいのではないでしょうか?

心配は心配しか呼ばない

 「気にする」程度なら問題ありませんが、基本的には心配は心配しか呼びません。つまり一つのことを心配し始めると、たちまち他の心配ごとが芋づる式に発生してしまい、心配が増幅されていきます。次から次へと心配に注意がいき、たちまち目の前のことに集中できなくなってしまい、パフォーマンスが格段に低下するのです。

「その場」で発揮できる力を侮らないこと

 私たちは、その場その場で自分が発揮できる力を侮っているような気がします。いくら「準備不足」でも、目の前のことだけに集中してやった仕事は、パフォーマンスが高いものになります。「私は今ちゃんとできているだろうか」という一見「客観的な」に見える視点ではなく、「今ここ」での自分の主観的視点のみに集中することの大切さに気づきましょう。私たちはあまりに多くのタスクを一度に抱え、一点に集中することの大切さをすっかり忘れてしまっています。