状況を「うまく」対処しようとしない

 私たちは「心配」することでどうにかして状況を改善できると考えがちです。しかし、心配していることに対して直接何かしていない限り状況はまったく変わりません。「心配」とはつまり、過去や未来のことにネガティブな思いを馳せる行為ですが、それはただあなたを追い詰めるだけです。

不安軽減のために「呼吸」に集中

 では実際にはどうしたら不安を軽減できるのでしょうか? 米国で今多くの注目を浴びているのが呼吸法です。それは、いろいろな考えが頭に浮かんでもそれは流し、とにかく呼吸だけに集中するというもの。特に効果的なのは朝一番に行う呼吸です。

[引用]研究者たちは、私たちが起床後の数分後にもっとも多くのストレスホルモンを分泌することを発見した。なぜか? それはこれからの1日を考えることで「逃げるか、闘うか」という反射的な反応が起こり、血液中にストレスホルモンのコルチゾールが分泌されるからだ。

 10分間の呼吸は特に効果的だと言われます。リラックスしている時間は重要です。なぜならリラックスすることであなたはより柔軟にものごとに対処でき、判断力も研ぎ澄まされるからです。なるべくリラックス状態を維持する努力をしましょう。

[引用]オフィスに到着したら、活動を開始する前に自分のデスクや車の中で、短い「マインドフルネス」の実践を行うことで脳を活性化させよう。上体を起こし、目を閉じ、リラックスしよう。そして全集中を呼吸に向けよう。吸って、吐いて、吸って。[中略]何か他のことに気を取られたら、再び呼吸に集中を戻すこと。

 あなたの「心配」は実は身体にも大きく影響しています。心配している時は、あなたの身体はこわばり、硬くなっているでしょう。身体がこわばるだけで、心配しやすくなったり、緊張しやすくなったりします。ちょっとしたことですが、呼吸法を通してリラックス状態を保つこと、またはお風呂やストレッチで身体をほぐすことで「心配」が軽減できます。それは重要なセルフケアの一つです。

 「心配」してもどうにもならないことは手放しましょう。むしろ今自分の力をフルに発揮するための努力を重視すべきです。「ああすべきだった」といった後悔、「ああなったらどうしよう」という不安は何も役に立っていません。そんな時は、不安を取り除きリラックスすることに集中しましょう。リラックス状態でのパフォーマンス力に変えられるものは何もありません。常時リラックス状態が理想です。

文/相磯展子 写真/PIXTA

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