あなたに足りない本当に「頑張っている」人の動機とは?

 ものすごい頑張りを発揮する人は2つのことに突き動かされているとダックワースは指摘します。それは興味と目的意識です。

[引用]彼らは自分の仕事に心底魅了され、それが他者にとっても重要であることを理解しています。彼らは私にこう言います。「自分の仕事が大好きです。これがまさに私の天職」と。

 ここで注意すべきことは、何も仕事が大好きだからと言ってそれがラクだったり、簡単だったりするわけでは決してないことです。辛いこともたくさんあるかもしれませんが、興味と目的意識に駆り立てられている人は、そんな厳しい局面でもやめないのです。

 それではあなたはどうすればいいのでしょうか? まず次のことをやめることからはじめましょう。

努力のための努力はやめよう

 あなたが輝くためには膨大な頑張りが必要であることは間違いありません。しかし、その努力は自分の興味関心、目的意識によるものでなくては意味がありません。頑張るための頑張りはおそらく辛いだけ。

 学校以上に、会社はやりたくないことを頑張らざるを得ない環境です。しかし、自分の能力を最大限に発揮したい、輝きたい、仕事を楽しみたいと願うのであれば自分の熱意を呼び覚ます努力をしていく必要があります。

 それは決して簡単なことでありませんが、可能なはずです。それは学校でも、会社でもタブーとされている遊び心、自分の興味関心を優先させることにあります。

ストイックな頑張りのはじまりは「自由な遊び心」

 ダックワースは、ストイックな努力は必ず「好き」という気持ちや「遊び心」からはじまっていると言います。

[引用]練習段階の前には必ず遊びがあります。ほとんどの人が[30年前に、数学、脳科学、水泳、テニス、ピアノ、彫刻で世界的な水準を誇る120人をインタビューした心理学者の]ブルームが「初期段階」と呼ぶ時期に自分の仕事に恋をするというステージを踏んでいるのです。ここでは、自分の仕事にさほどコミットせず、自分の弱点に集中するよりも自分の興味、楽しむことに最大の重きが置かれています。

 私たちの多くはこうした遊び心を許しません。そのために真の頑張りに到達できないのです。

自分の遊び心を呼び覚まそう

 「今の仕事には満足していないんだけど、かといって自分が何がしたいのか分からない」という悩みを抱えた人がいます。こうした人たちは完全に「楽しむこと」「遊ぶこと」を忘れてしまった人たちです。

 あなたもその一人でしょうか? もしそうであれば、まずは自分が関心を持ったこと、惹きつけられることを気軽に試してみることが重要です。「そんなことをしても無駄」という声には耳を傾けないように。また、それに飽きてしまったり、思うようにできなくても落胆する必要はありません。問題はそれが楽しいか、楽しくないかです。遊び心に満ちた子供心を取り戻しましょう。

 楽しかったら例え下手でも続けてみましょう。ここが非常に大事です。これを繰り返すことで自分の主体性を取り戻すことができるはずです。

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 自分の内側から湧き出る関心、目的意識に突き動かされた仕事は、「やらされている」仕事とはまったく違います。それこそが社会に役立つ仕事です。それは清掃員であろうが、企業のトップであろうが変わりません。

 自分の動機を取り戻してください。それこそがあなたに充実感を与え、社会にもプラスな影響を与える仕事に繋がります。そして、既にその道を歩みはじめた人は、途中で自分の中の動機を見失わないように。

文/相磯 展子 写真/PIXTA

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