アメリカで注目が集まっている「ハピネス研究」を知っていますか? この分野では、「働く人の精神がどのように仕事に影響するか」についての研究が盛んに行われ、それが実践の場でも取り入れられています。これは仕事で感情を出すことをタブーとしがちな日本とはずいぶん違う考え方です。本連載では、翻訳・通訳者の相磯展子が、「ハピネス研究」をはじめとする海外の仕事観を紹介しながら、日本の仕事の常識に疑問をぶつけていきます。違った視点に触れることで、悩みを解決するヒントがきっと見つかるはずです。

本当に仕事ができる人は、自分の仕事のデキなんて気にしていない?

 やたらと仕事のデキにこだわる人っていますよね? 

 「○○さんって、本当に仕事がデキてかっこいいよね~。私もああいう風になりたいな~」なんてことをしょっちゅうぼやいている人のことです。「そうそう、いるいる」とうなずいてもらえたでしょうか? 

 目標や憧れを持つことは悪いことではありません。しかし、一方でこういう人の多くは、手のひらを返すかのように「仕事がデキない」人を見下します。

 これをここでは仮に「そこそこデキる私」願望と名付けたいと思います。単刀直入に言ってしまうと、このタイプの人は「自分はそこそこ能力がある」と思っているけれど、「仕事がデキる人」ほどではない。だから「デキる人」を必要以上に持ち上げ(そうすることでそこに到達できていないことが正当化される)、デキない人を必要以上に見下して、「そこそこデキる私」を維持することで、なんとかバランスを保っているのです。

 いじわるな言い方をしてしまいましたが、実はこれ実際の能力に関係なく、多くの人が大なり小なりやってしまうことです。だって「自分は仕事がデキない」なんて思いたくないですよね?

 もう気付いたかと思いますが、これはあまり健全なマインドセットではありません。そこで、今回は私たちが見過ごしがちな「デキ女」願望に潜む落とし穴について考えてみたいと思います。