本当に集中して仕事ができるのは1日のうちのわずか数時間

 私たちは「より多く」「よりたくさん」のものを得ようとするため、「時間」と「仕事の質」が比例していないことを見落としてしまいます。実際のところ本当に集中して作業をできる時間は1日のうちのわずか数時間です。

*****************************************
【引用】どんなライター、デザイナー、ウェブ開発者も―金銭的にも充実感を得るという意味においても―一番多くを得られるのは2時間集中してやった作業だと言うだろう。(アーティストや作家の日課を詳細にまとめた2013年のMason Currey(メイソン・カリー)の著作『天才たちの日課:クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』で取り上げられているほとんどの人がメインのクリエイティブな作業に4、5時間以上はかけないことが紹介されている。)
*****************************************

 私たちは「疲労」を勲章のように高く掲げ、自分や他者に見せたがります。しかし、それは一種の自己満足に終始していることでもあるかもしれません。あなたのエネルギーや気力は適切な仕事に使われているでしょうか?

*****************************************
【引用】意義のある仕事には必ずしも消耗がつきものではない。数時間何かに熱中することでかえってエネルギーを得ることだってある。自分のアウトプットを疲労度で測っていると、仕事というものを誤解することになるのだ。
*****************************************

いい仕事をしたいならあえて労働時間を減らすべき

 「頑張って」たくさんの仕事をしようとする人は、ひとつひとつのタスクをやる意味を考えていないことがあります。直感に反するかもしれませんが、本当に有益な仕事をしたいのであれば労働時間を制限することが重要です。「いつまでも仕事ができる」と安心してしまうとそこから満足感が得られたとしても無駄な作業が非常に多くなります。

*****************************************
【引用】一番重要な作業を1日のはじめにやるというアプローチは最も有効である。そうすれば、忙しく仕事をすることに陥っても、もっともいいエネルギーをその作業に無駄にすることがないからだ。仕事環境が許すのであれば、労働時間を大幅に制限することを試してみるといい。制限をかけることで、最も重要なタスクに集中できるようになるからだ。
*****************************************

 結論から言うと、1日をタスクで埋め尽くすことで自分を「疲労」させることは充実した1日とは言えません。費やした時間や「頑張り」といった評価軸を外した上で、仕事へのアプローチを再検証することが必要です。

 「頑張る」ことは目的ではありません、「質の高い仕事」をすることが目的です。そして、質の高い仕事をする手段は、必ずしも自分を疲労させることではないのです。

99U「Nobody Cares How Hard You Work」(Ruben Gamez著)をもとに翻訳、再構成

翻訳・構成/相磯展子