問題に直面した時に問うべき3つのこと

 問題に直面した時、それに取り組むことで物事が改善されるかを判断できることはとても重要なことです。エネルギーを費やしても改善の見込みがないもの、改善が少ししか見込めないものは、自分のコントロール下の外のことだと考える方が良いでしょう。あなたの時間とエネルギーは限られています。それをどこに注ぐべきかをよく考えるべきです。

 自分がある問題に取り組むべきかを見極めるための3つの質問をご紹介します。みなさんも問題に直面した時にぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

1.「問題に取り組むことでそれが解決される可能性は何%?」

 さまざまな事柄が足かせとなり、どうしても物事が上手く進まないことがあります。こんな状況下で相手のミスを責めるなどして問題が解決されるのなら良いですが、そこから何も進展がない場合はあなたが消耗するだけです。このようにその場の怒りや焦り、使命感などの感情を超えて自分にとってのプラスマイナスを考えることが必要です。

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[引用]「影響を及ぼせる範囲」の外にある事柄を一番の関心ごとにしてしまい、プロジェクトにマイナスな影響が出てしまうケースは多々ある。ここでやるべきことは「話し合いをさらに続けることでこの問題が解決される可能性は何%だろうか?」と問うことである。問題が解決される可能が10%以下なら、ある程度あきらめることで「損切り」をする必要があるのだ!
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2.「自分の力で解決することはできるが、そもそもこの問題に取り組むべきなのだろうか?」

 さて、今自分が直面しているのが「影響を及ぼせる範囲」内の問題だと判断した場合は、次に「この問題に取り組むべきだろうか?」ということを問うべきです。つまり、問題が解決できることと、実際にそれを解決すべきかは別問題なのです。これもまた限られた時間とエネルギーをどう使うかということに集約される話でもあります。

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[引用]例えば、あなたはライバル社のことが気になるとしよう。しかし、不安な気持ちを鎮めるために時間と広告費をかけるよりも、もしかすると今の自分の顧客に集中する方が正解かもしれない。何かを解決できるからといってそれを解決すべきとは限らないのだ。
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3.「自分の『影響を及ぼせる範囲』を見誤っていないだろうか?」

 自分が「影響を及ぼせる範囲」を判断することは意外と難しいことです。特にまだ経験が浅い人は問題に反射的に反応してしまい、状況を冷静に見ることができません。Belskyはそんな時は周囲の力を借りることが重要だとしています。他人のちょっとした助言で、より正確なものの見方ができるようになると同時に、自分の判断の間違えにも気づくことができます。

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[引用]問題にとらわれすぎて客観的な判断ができない場合は、周りの人の視点を取り入れましょう!
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 最後にBelskyはこのテーマに対して次のような結論を述べています。彼のアドバイスは仕事だけでなく、人生全般にも共通するものでしょう。

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[引用]自らの著書『The Power of Now』でエックハルト・トールは「究極的には《中略》問題など存在しない。あるのは状況だけだ。その状況に直面した時、私たちはそれに今取り組むか、もしくはそれを現状として受け入れ、解決できるまで変化を待つかを選ぶことができる」と述べている。優れたクリエイティブ・リーダーは、完璧主義や不安によって判断力を損なわれずに仕事への熱意を維持することができる。あなたも自分の心配を自分が解決できる問題だけに向けるという習慣を身につけてはどうだろうか?
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99U「Worry Only About the Problems in Your Circle of Influence」(RScott Belsky著)をもとに翻訳、再構成

翻訳・構成/相磯展子