自信過剰の方がいいの!?

 裏を返せば、自信が無いことは行動しない動機に十分なりえます。だとするならば、多少自信過剰であった方が良いというのがTateの見解です。

[引用]自信は私たちを行動に駆り立ててくれる原動力、人生を成功に導くカギである。従って、2004年のKatty Kay(キャティ・ケイ)とClaire Shipman(クレア・シップマン)の著書『The Confidence Code』にもあるように、必要とされている以上の自信を持つ方が良いのだ。そうすることで、何かをすることを「考える」のではなく、何かを「やる」方向に向かうからだ。

自信がない人は「行動できない」=生産性が低い

[引用]望む結果を実現する能力に自信がなければ、生産的になることはできない。なぜなら私たちの「何かができる」という考えこそが、結果につながる行動の原動力だからだ。自信、つまり考えを行動へと換えるものを取ってしまえば、生産性の方程式を突き動かす必要不可欠な原動力が欠けてしまうことになる。

 Tateによると自信と生産性は、相乗効果で成り立っています。つまり、自信があると生産的になり、生産性が発揮できると自信につながるのです。

自信をつけ、生産性を上げる3つのポイント

 さて、自信と生産性の関係性を知ったところで、次はこれをどのように実際の状況で活用すべきかを見ていきましょう。Tateによるとポイントは3つです。その中でも重要なのは、自分が成長できるということに自信を持つこと。持続的な成長、ものごとを改善することが可能であるというマインドセットは、自信と生産性にもつながっており、仕事を成功に導いてくれるものです。

1. 自信は「状態」ではなく、「選択」である

[引用]それはつまり行動に出る、何かをする、決断するという選択なのだ。行動を起こしやすい環境をつくろう。例えば、15分以下でできる作業をリスト化し、自信のないことから生じる仕事を先延ばしにしたいという欲求が上がってきたら、そのリストの中からひとつこなすのだ。この行動は、さらなる行動につながっていく。

2. 目標達成までの過程を細かいステップに分ける

[引用]小さなステップを踏むことで、自信につながるようなリスクが取れるようになる。例えば、タスクリストにある各プロジェクトを次に取るべき小さな「アクション・ステップ」—つまり、プロジェクトを進めていくために必要な行動—に分割する。行動に出られるように、タスクの項目を「◯◯をする」といった行動を促す動詞から始めること。

3. 「成長マインドセット」を心がける

[引用]成長マインドセットー学ぶことへの意欲-は自信アップにつながる。例えば、メールを1回読んだだけで次の行動を判断する練習をしてみよう。練習なので、完璧を目指す必要はない。このやり方でメールを処理することを忘れてしまっても、自分を責めることや恥に思うこともない。まさに仕事をしながら練習し、学んでいるのだから。

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 いかがでしたでしょうか? 今回のテーマの最大のポイントは「自信は選択するところから始まる」というところかもしれません。自信とはなにも偉業をこなさなくても、小さな行動を積み重ねていくことでついていくのです。さて、みなさんも早速小さな行動からはじめてみて下さい! まさに「はじめの一歩」が肝心ですよ。

99U「Are Confident People More Productive?」(Carson Tate著)をもとに翻訳、再構成

翻訳・構成/相磯展子