速効で肌が潤い、肌の内側からふっくらとさせ、たるみやしわを防ぐ――。研究成果を詰め込んだ新作コスメのキーワードは、幹細胞ケアと真皮ケアだ。

 そろそろ乾燥が気になる季節。この乾燥に、夏までの紫外線によるダメージが重なると、一気に小ジワやたるみが目立ってくる。“保湿+たるみ・シワ改善コスメ”でケアしよう。

 今シーズン発売されたコスメは、大きく分けて二つある。一つが真皮を充実させて、たるみやシワを防ぐというものだ。

「皮膚に占める割合が大きい真皮は、コラーゲンやヒアルロン酸などが9割を占める。コラーゲンなどを増やすことが、たるみやシワの改善には早い」と、ポーラ化成工業肌科学研究部皮膚科学研究室の五味貴優主任研究員。ポーラはコラーゲン生成のきっかけとなるバーシカンを増やすことでコラーゲンなどの生成を促す商品を開発した。

 もう一つが肌に関わる幹細胞の研究に基づいた商品だ。幹細胞は組織や臓器に成長する元となる細胞で、表皮幹細胞なら表皮細胞を、真皮幹細胞なら線維芽細胞を増やす。

「肌に関わる幹細胞を増殖させたり活性化したりすることで、肌全体を整えていくことができる。こういった幹細胞研究を基に、たるみやシワの研究がなされている」と、資生堂化粧情報開発センターの中西紘美研究員。

 ロート製薬の研究で、脂肪幹細胞が線維芽細胞同様にコラーゲンを生成することが判明。またカバーマークの研究では、骨髄幹細胞は、表皮や真皮の幹細胞になる。これら幹細胞ケアも有効だ。

 たるみ・シワ対応コスメは、保湿力も高い。肌の表面から潤いで整えれば、その影響で真皮の状態もよくなる。