女性活躍推進法が4月に施行する。「女性活躍が本当に業績に結びつくのか」。そういう疑問を持つ人に紹介したのがカルビーの事例だ。女性管理職の増加とともに売上高が右肩上がり、15年4-9月の営業利益は128億円と同期として過去最高に。連結売上高も10年から毎年100億円ずつ売上を伸ばし15年3月期には2221億円、16年3月期は2400億円が予想される。女性活躍がなぜ最高益に結びついたのか。人事総務部部長/ダイバーシティ委員会委員長である高橋文子氏に聞いた。

売上30億円を2年で100億円に。最高益に貢献する女性たち

――12月に発表された日経WOMANの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」で、カルビーフルグラ事業部事業部長の藤原かおり氏がベストマーケッター賞を受賞しました。発売開始から20年たち30億円で頭打ちであったフルグラを2年で約100億円の売上にした手腕が評価されました。表彰後のパーティーのスピーチで松本晃会長兼CEOは、「(私が)ミスター・ダイバーシティです。我が社には活躍している女性がたくさんいるので毎年受賞させていただきたい」と挨拶して、会場を沸かせました。女性活躍が企業の業績にリンクしているカルビーならではと思いましたが、担当部長の立場からどういう点が奏効していると思いますか。

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2016」ベストマーケッター賞を受賞した藤原かおり氏(日経ウーマン2016年1月号より、撮影/大槻純一)

高橋部長(以下、高橋):ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人で社長・最高顧問だった松本が、当社のトップに就任したのが2009年6月です。就任当時、当社は単体で男女比1対1でしたが、女性管理職比率は5.9%しかなく、松本は「この会社、1世紀遅れてるね」と言っていました。

――それが5年後の2015年で女性管理職比率は19.8%まで急伸した。つまり5年で3倍以上にもなったのは急激な変化ですね。

高橋:それはトップの一貫したぶれない姿勢によるところが大きいと思います。松本会長、伊藤秀二社長から「会社の成長のためには女性が活躍することが重要である」というメッセージが一貫して発信されている。これは推進担当者としては最も心強いです。女性活躍に協力的でない役員や管理職に対しては、「なぜ女性を登用しないのか」と厳しく言い続けている。売上と一緒ですよ。増収を目指すのは当たり前、女性登用も当たり前、同じ意識で厳しく部下たちに問うている。もし女性管理職候補者がいないのであれば、それは育ててこなかった君たちが悪い、と。そうすると、もう、ぐうの音も出ませんよね。

 トップの本気度が会社を変えていきました。当社では女性を登用すべきかどうかという段階はとうに過ぎて、2020年30%という女性管理職比率の目標を達成するために、今後何人登用する必要があるかということを事業本部長の役員と共有しコミットしてもらうという段階にきています。松本就任の翌年の10年にダイバーシティ委員会が発足して丸5年、「女性の活躍なしにカルビーの将来はない」というトップの信念が全社的に浸透してきました。

平成26年度女性が輝く先進企業表彰担当大臣賞を受賞した。松本晃会長兼CEOとともに。写真中央が高橋氏。1990年カルビー入社人事部(採用担当)に配属。その後、営業、広報部などを経験。北海道事業本部人事総務担当を経て、2014年に人事総務部部長兼ダイバーシティ委員会委員長就任。