女性活躍にはトップのコミットメントが必要

――プロダクトイノベーションとプロセスイノベーションの2つが起こっているということですね。女性活躍というと女性社員比率の多い企業、どちらかという消費者を対象とするB2C企業のほうが推進するものと考えがちなのですが、OKIのようなB2B企業においても同じく重要であるということなのですね。作り手の論理を優先させる「プロダクトアウト」ではなく市場のニーズを重視し顧客視点で商品をつくる「マーケットイン」を実現するためにも重要であると。

川崎:私が社長に就任して以来、マーケティング&イノベーションを徹底しており、お客様が望まれるものをいち早く見つけ出して、商品化し、満足していただくことが必要だと言っていますが、これなどはいい事例だと思っています。マーケットインを実現しやすくするために女性を含めた多様な人材の声を企業で生かすことが必須だと思っています。

 当社の課題は、スピード感。「石橋を叩いて渡らない」というか(笑)。常に検討ばかりしているということもありました。これからはそうではなく、いいと思ったことはすぐに行動して、間違っていたら修正する。そういうリズムがなければ、お客様が求めていることを素早く察知し、タイミング良く商品を市場に出すことはできません。

 そのため、女性活躍推進に関しても、成果を出すためにはトップのコミットメントが必要だと言われたので、すぐに行動に移しました。

――女性活躍支援セミナーを開催し、女性社員に社長自らダイバーシティの重要性を語られたのもその思いからですか。

川崎:そうですね。女性活躍が進んでいる他社の社長から話を聞いたなかでも、トップが関与することは必要だと感じたので、今後も必要に応じて、自分から思いを発信していこうと考えています。

――女性社員の前ではどのようなお話をされたのですか?

川崎:先ほどお伝えした、なぜ当社に女性活躍推進が必要なのか、について話しました。そして、社員一人ひとりが行動しないと、会社は変わらないんだと強調しましたね。会社で自分は何がしたいのか、何をするのか、一人ひとりがしっかり考えてくださいと。

14年12月に開催した、同社初の女性活躍支援セミナーに登壇し、女性社員に直接メッセージを送った
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