11月13日、フランスはパリで同時多発の爆発・銃撃テロ事件が起きた。ISが犯行声明を出しており、120名以上が犠牲になった痛ましい事件だ。

 犠牲者を悼み、Facebookではアイコンがフランス国旗カラーに変えられるようになっている。友だちがアイコンをフランス国旗カラーに変えると、「パリ市民の安全と平和を願うプロフィール写真を設定しよう」というメッセージと共に、「試す」ボタンが表示される。「試す」ボタンをクリックすると、自分のアイコンがフランス国旗カラーに変わった様子を見ることができる。

 6月に米連邦最高裁が「同性婚は憲法上の権利」と認める判決を出し、全米で同性婚が認められたことをお祝いして、Facebook上でアイコンをLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとった総称)の尊厳を象徴するレインボーカラーに変えられるようにしたのと同様の機能だ。

 多くのユーザーがこの機能を利用しており、当初私の友だち674人中43人がこのアイコンに変えたが、その数は徐々に減ってきているようだ。この機能を巡って様々な議論が飛び交っていたことはご存じだろうか。なぜそのような事態になるのか、どう振る舞えばいいのかについて考えていこう。

Facebookではアイコンをトリコロールカラーに変えることができる。

Facebook上での信条表現は難しい

 異論で一番多かったのは、「パリ以外でも被害が起きているのに、なぜパリだけを哀悼するのか」というものだったと思う。パレスチナやシリア、イラク等でも多くの人がテロの犠牲となって亡くなっているが、そのような哀悼の意を表する手段は用意されていない。

 なお、Facebookはパリでのテロ攻撃では安否確認機能「Safety Check」(災害時情報センター)を有効化したものの、レバノンの首都ベイルートで連続爆発が起きた際には有効化しなかったと批判された。批判を受け、同社CEOのマーク・ザッカーバーグは、人為的災害の発生時、Safety Checkを有効化する頻度を高めることを誓っている。

 周囲には様々な行動を取った人たちがいた。哀悼の意を表しつつもアイコンは変えなかった人。フランスやヨーロッパにいる友人に哀悼の意を伝えたいから、そのためだけにアイコンを変えるという人。アイコンを変える人に「不快」「フィードからの消去」を表明する人。実に様々な考えの人がいるということが明らかになったと思う。

 Facebookは実名・顔出しをして社会的に利用されているサービスであり、必ずしも同じ考えの人とばかりつながっているというわけではない。宗教や信条などに係わることは非常にナイーブであり、意見が分かれることでもある。そのようなことは、反対意見がくる可能性も考えた上で変えるべきだろう。