上級編:自分年表を作ってみよう
記録を振り返る際、ただ読み直して思い出に浸るのも良いのですが、余力がある方はひと手間加えて表や図にしてみるのがおすすめです。表や図にすることで、「嬉しい!」という思いが何をきっかけに生まれたのか、最悪だった経験は今、どんな影響を自分に及ぼしているかを振り返ると、自分の「着火ポイント」、つまり、モチベーションが上がるポイントが分かるようになるからです。
私が主催するセミナーでこの振り返りを経験した商社勤務のMさん(30代・女性)は、新卒で入ったこの会社を辞めて新たなキャリアを築きたいと考えていました。しかし、振り返り後、自分の人生逆転パターンが分かったため、今の仕事をもう少し頑張ることに決めたそうです。いつも「次のイベントを頑張ったら、もうこんな会社辞めてやる!」と思って目の前のイベントを精一杯やりとげたあと、必ず昇進や海外転勤など、自分の希望が通っていたということが分かった、ということでした。
コンサルティング会社勤務のNさん(30代・女性)は、この振り返りのあと「今までこんなことを乗り越えてきたのだから、これからだってきっと大丈夫」と、過去の自分に励まされ、昇進のオファーを受けることができたそうです。今期は入社以来の最高評価を得ることができた、と喜びの報告がありました。
書き出すステップは次の通りです。
2.図2の表に、縦軸を感情の起伏、横軸を時間軸として折れ線グラフを書いていきます
記入のコツは、図1の表を全部書き終えたあと、その中での「最も嬉しかったこと」を図2に最上の頂点として、「最も悲しかったこと」を図2に最低の頂点として位置づけ、それに比べて他の出来事はどうだったかを記入していくことです。
この作業は過去をじっくり振り返るものなので、数分でちゃちゃっと終わらせることは難しいでしょう。取りかかるのは少し面倒かもしれませんが、1ヶ月くらいかけて少しずつ考えてみてください。作業が終わった後図として眺めたとき、自分の性格や今までの過去の出来事が今の自分にどう影響を与えているかが「見える化」できるようになります。
私の場合は過去に、「くそー! いまに見てろよ!」という怒りのエネルギーがあるときにやる気がでて、逆境を乗り越えてきたという傾向が見えてきました。その傾向がわかるようになってから、逆境になればなるほど、「これは一発逆転の兆しだ」と前向きに物事を捉えられるようになりました。
本を読んだり、人から話を聞いたりすることことだけがインプットではありません。ひとり時間で過去の自分からインプットを受けてみましょう。将来につながる新たな発見があるかもしれませんよ。
写真/宙舟(PIXTA)