売れてもなお、自己否定

 春日さんと組んで芸人になってからも、なかなか芽が出ない苦しい日々が続きました。

 自分たちが面白いと思うことをやっても認められないし、売れない。芸人としての稼ぎはほとんどなく、フリーター同然の暮らしを送っていた彼は、自暴自棄に陥っていました。

 そんな状況の中、降って沸いたように奇跡が起こりました。

 2008年、オードリーは少しずつテレビに出るようになり、年末の『M-1グランプリ』で敗者復活者に選ばれ、そこから準優勝を果たしたのです。

 当時の映像を見てみると、敗者復活戦の勝者として「オードリー」の名前が呼ばれた瞬間、若林さんは心の底から「信じられない」と言わんばかりの驚きの表情を浮かべています。

 暗闇に光が差し、彼の人生は一変しました。

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 でも、自己否定的な思考のクセはそんなに簡単には直りません。

 楽屋で居合わせた有名人に自分なんかが気安く話しかけたら失礼ではないか、などと余計なことをあれこれ考えてしまうのです。