芸歴13年でもすれない親しみやすさが魅力

 いわば、春菜さんはもともと明るい人気者タイプというわけではないのです。だからこそ、彼女には偉そうな感じや押しつけがましい感じがありません。背伸びして必死でがんばっているという好印象だけが残るのです。それが好感度の高さにもつながっているのではないでしょうか。

 芸歴13年目の春菜さんは、実はもう「若手」と呼べるキャリアでもないんですが、いまだに出始めた頃の初々しい感じを失っていません。いつまでも若手のような顔をしてテレビに出ていられるのです。

 一般に、女芸人にとって難しいのは、自らの女性らしさとどう向き合うかということです。女を売りにするのも、女を捨てるのも、どちらも行きすぎると視聴者に悪い印象を与えてしまうことになります。でも、春菜さんはどちらの道も選んでいません。それどころか、若いけど未熟さを感じさせず、女性だけど女性っぽさを感じさせない。絶妙なポジションに行くことで、圧倒的な親しみやすさを獲得することができました。

 春菜さんは2012年と2013年に「タレント番組出演本数ランキング」でバナナマンの設楽統さんに次ぐ2位となりました。この調子でいけば、女性タレントでは初の年間1位になる日も近いかもしれません。

文/ラリー遠田

変更履歴:本文一部修正しました(2016年4月13日)