なぜ、一見分かりづらい笑いが好きなのか

ルーツは、プロレス……? (C) PIXTA

 有田さんがこの種の笑いを好むようになったのには、彼が大のプロレス好きであるということが関係しているのではないかと思います。

 プロレスは、独特の様式を持ったエンターテインメントです。

 体を鍛えた屈強な男たちが、リングの上で激しくぶつかり合い、華麗な技の応酬を繰り広げます。

 しかし、それは他の格闘技のような「真剣勝負」とは違います。

 そこには独特の語られないルールがあり、それを暗黙の前提としてプロレスラーも観客も共有しています。

 プロレスファンは、プロレスを見ることと同じくらい、プロレスを語ることを好む傾向があります。

 プロレスには、はっきりと言語化されていない裏の「物語」があり、それを読み解いたり、分析したり、議論したりすることが楽しみ方の一部になっています。

 有田さんが好む笑いは、そういう意味で「プロレス的」だと思います。真面目な顔でやっていることが「どこかおかしい」というのは、受け手が裏の意味を読み取ろうとするからこそ、その面白さの本質がつかめるのです。

 明確なツッコミによって裏の意味が明らかになると、物語はそこで終わってしまいます。

 あえて物語を終わらせず、そのふざけた雰囲気そのものを楽しんでもらいたい。

 有田さんはそう考えているのだと思います。