ピュアで親しみやすい「永遠の少年」

 そんな徳井さんは、売れっ子になった今も、どこかピュアで親しみやすい雰囲気があり、子供っぽい感じが漂っています。性的なことを話していてもいやらしさがないのはそのせいでしょう。いわば、徳井さんは「永遠の少年」なのです。オトナの男性がTPOもわきまえずに繰り出す下ネタは、他人に不快感を与えてしまうこともありますが、子供の下ネタはかわいげがあって愛らしい。幼馴染みの福田さんと共に芸能界に入り、今でも気の置けない男同士で楽しく過ごしている徳井さんは、変態じみたエピソードもまっすぐな目で堂々と語ります。そこに純粋さが感じられるから嫌みがないのです。

 京都出身の徳井さんは、他の関西芸人と比べても自分だけグイグイと前に出ていくような強引さがなく、「はんなり」としています。その品の良さが下ネタの毒を見事に中和しているという部分もあるかもしれません。徳井さんの下ネタの根底にあるのは、長年にわたって純粋培養されてきた「少年の心」なのです。

文/ラリー遠田

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