一瞬で伝わる「体ものまね」という妙技

 浅黒い肌で小太りというその肉体を生かして、梅宮辰夫さんなどの有名人の顔写真を顔に重ねて、本人になりきってしまうという妙技です。このものまねをやり続けるために、肌を焼いたり体型を維持したりという努力もしているそうです。秋山さんはコントを得意にしていますが、コントはある程度の時間をかけないと面白さが伝わらないので、ネタ番組以外の一般的なバラエティ番組では披露する機会がほとんどありませんでした。そんな彼にとって、一瞬で披露できる「体ものまね」は心強い武器になりました。しかも、顔を隠して肉体だけでものまねをしてしまうというこのネタは、はからずも照れ屋の秋山さんにふさわしいスタイルになっています。

 素の自分を表に出すのに抵抗がある内気な人ほど、何か別のものになりきる能力は高いのです。秋山さんがキャラクターを演じるときに発揮される桁外れのパワーは、内向きな人間なら誰でも持っている秘められた力なのかもしれません。

文/ラリー遠田

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