テレビでは、緊張のあまり手が震えることも…

 実際、テレビに出始めの頃には、緊張で手が震えたりすることがよくありました。それでも、何とか結果を出そうとがんばって前に出ようとする姿には、思わず応援したくなるようなかわいげがあります。養成所の講師を務めていた構成作家の本多正識さんは、村本さんが評価されているのは「一生懸命」なところだ、と語っています。

 漫才でもトークでも、村本さんのしゃべりは早口で聴き取りづらいところもあります。ただ、それでも彼は間合いを詰めて言葉を重ねて、自分の思いを必死で伝えようとします。

 そうやって不器用だけどがむしゃらにもがいているところが好意的に受け入れられているのです。

繊細だからこそ他人に優しくなれる

 村本さんは、最近はコメンテーターのような役回りで情報番組やワイドショーに出ることも増えてきました。ただ、そこでニュースにコメントをするときにも、彼は決して格好つけないし、自分を賢く見せようとはしません。あくまでも等身大の自分なりの目線で、思ったことを率直に語ろうとします。

 先ほど述べたSMAPの件でも、彼はただ思っていたことを素直に口にしただけでしょう。その飾り気のない言葉がSMAPファンの心に刺さったのです。自分自身が人一倍繊細で他人に気を使ってしまう人間だからこそ、立場の違う人の心の痛みにも敏感になれるのでしょう。