「女芸人No.1決定戦 THE W」にて、見事優勝を果たしたゆりやんレトリィバァさん。女芸人の活躍が目立つ近年で、ゆりやんさんがひときわ人気があるのはなぜなのでしょうか? お笑い評論家のラリー遠田さんが、「THE W」を振り返りながら解説します。

かわいらしい動きと声も魅力です

 12月11日、東京・日本テレビで「女芸人No.1決定戦 THE W」の決勝戦が行われました。予選を勝ち抜いた10組の女性芸人が挑んだ白熱の戦いを制したのは、ピン芸人のゆりやんレトリィバァさんでした。

 「THE W」は、今年初めて行われた女性限定のお笑いコンテストです。参加資格は「女性であること」のみ。プロ・アマ、所属事務所の有無は問わず、芸歴、人数、年齢の制限もありません。漫才、コント、ピン芸、モノマネなど、あらゆるジャンルの女性芸人の参加が認められていました。

 優勝賞金はあの「M-1グランプリ」や「キングオブコント」と同じ1000万円。さらに、優勝者には副賞として、視聴率が合計100%に達するまで日本テレビの好きな番組に出ることができる「日テレ100%券」が与えられます。お笑いの賞レースで優勝した芸人が、それをきっかけにテレビにたくさん出るようになるのはよくあることですが、この「THE W」では、それを「賞品」という目に見える形でテレビ局側が芸人に提供する、というのがポイントです。今までくすぶっていた人にとっては、千載一遇の大チャンスだったといえるでしょう。

 ところが、蓋を開けてみれば、実際に優勝したのは、既に売れっ子のゆりやんレトリィバァさんでした。ただ、ピン芸日本一を決める大会「R-1ぐらんぷり」で優勝を逃し続けていたゆりやんさんにとっては、記念すべき初のビッグタイトルということになります。これを引っ提げて、ゆりやんさんが日本テレビのどの番組に「凱旋出演」を果たすのか、これからが楽しみです。

 「THE W」の番組の中で、ゆりやんさんの推薦人としてVTR出演していたレイザーラモンRGさんは、彼女のことを「バケモン」と呼んでいました。「トークで笑いが取れる上に、0から1を生み出すこともできる」と、芸人として最大級の賛辞を贈っていました。

 補足すると、ここで言う「トーク」とは、バラエティー番組で何か振られたときにとっさに切り返す力のことでしょう。また、「0から1を生み出す」というのは、ネタ作りの力のことだと思います。この二つは、いわば短距離走と長距離走のようなもので、使う筋肉の部位が違います。これらの能力を高いレベルで兼ね備えていることが、ゆりやんさんが売れっ子になった理由だと思います。

 ゆりやんさんの瞬発力は、同世代の芸人の中でも際立っています。バラエティー番組で話を振られたときに、他の芸人よりも一拍早くゆりやんさんがギャグを返したりしている場面をよく目にします。「調子乗っちゃって」「落ち着いていきや~」「おおきにです。おおきにと申します。名前?」など、彼女にはお決まりのパターンがいくつもあり、それを素早く自信満々に繰り出して、笑いを生み出すことができます。