再スタートの準備はできている?

ステップ1、再就職するかしないかを決める

 家庭にいる女性が、自分は本当に働きたいと思っているのか、そのための準備ができているのかを自分自身で判断するのは非常に難しいことです。そこで、問題を以下の3つに分けて整理して考えてみると良いでしょう。(1)仕事復帰への意欲や欲求がどれだけあるのか (2)現在自分がどれだけ育児、家事の責任を担っているのか (3)配偶者、家族のサポートがどれだけ得られるのか。これら3つの問題について、整理して考えてみることで、再就職のために必要な条件が導き出しやすくなります。コーエンさんは、以下のような質問を自分にすることを勧めています。

Q1 仕事復帰への意欲は?
Q2 仕事をしていないことを寂しいと感じているか?
Q3 ボランティアの仕事や趣味などに自分の時間をどの程度費やしているか?
Q4 〇年後には自分が働いている姿をイメージできる?
Q5 週に平均〇時間を仕事に費やすことができる?
Q6 平日の朝、家族のために何時間費やしている?
Q7 家族からの協力が期待できる?
Q8 自分が再就職することに対して、夫もそれ以外の家族も応援してくれている?
Q9 平日の午前8時~午後6時の間で家族からどのような協力が期待できる?


 これらの質問の答えを考えていくことで、自分自身の意欲や環境が整っているのかどうか、現実的に再就職の準備ができているかどうか、課題があるとすれば何なのかを考えることができます。

足を踏み出す前にやるべきこと

ステップ2、自信を取り戻す

 再就職を実現するための最も大きな障壁は、自信を取り戻すことだといわれています。どれほど輝かしいキャリアを持っていた人でも、優れた能力を発揮していた人でも、何年も家にいて、子育てに専念しているとハツラツと働いていた頃の自分をイメージできなくなります。自信を取り戻すために、以下のことを心がけてください。

 (1)育児経験はブランクではなく仕事でも活かせることを認識する (2)子どもは成長していき、これからは自分のために生きる人生が待っていることを認識する (3)再就職の準備のために、自分のための時間を確保する (4)不採用通知がきても、くじけず挑戦を続ける強い気持ちを持つ (5)自分としっかりと向き合い、自分が求めているものを探し出そうという気持ちを持つ

ステップ3、キャリアの棚卸しをして、キャリアの選択肢を洗い出す

 過去に仕事経験があると、同様な職種の仕事を探しがちですが、必ずしもそれが、今の自分にとって最適な仕事であるとは限りません。一度、「仕事ブロックワークシート」を作って、過去の仕事経験の棚卸しをして、どんなキャリアの選択肢があるかを洗い出していきましょう。

 まずは、過去に行った仕事経験を書き出してみてください。地域や学校に関わるボランティア経験なども、あれば記入します。リストアップできたら、それぞれについて、その仕事内容を、資料作成、企画書づくり、顧客訪問、プレゼン発表、後輩指導…といった具合に、さらに細かい仕事に分解して書き出していきます。

 次に、書き出した仕事リストの中から「自分が得意なもの」「自分が好きなもの」にチェックを入れていき、それらを組み合わせながら、どのような仕事が向いているのか探してみましょう。この作業を通して、以前と同じ職種の仕事に戻るのか、あるいは以前の仕事に関連した仕事に就くのか、それとも以前とは全く異なる仕事にチャレンジするのかを見極めていくと良いでしょう。