◆トレンドスタイル6「ニューノーマル」
J.Crew 2016春夏NYコレクション
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 気負いや力みを感じさせない「エフォートレス」の着こなしがさらに進化して、これまでの見慣れたウエアにもリラクシングな着こなしが広がってきた。この春夏はシャツやパンツといった身近な服でも、着心地よさげにスタンダードを崩す「ニューノーマル」のアレンジが浸透しそうだ。ジーンズの上からサマーアウターを軽やかに羽織ったり、ノースリーブとパンツでセットアップを組んだりと、定番的なアイテムから新たな表情を引き出すマッチングを試す「プチ冒険」は着こなしバリエーションを格段に増やしてくれるはずだ。

 ニューノーマルではコーデの工夫が大切となる。たとえばボーダー(横縞)柄のカットソーのようにごく当たり前のアイテムでも、ボーダー幅を極太に変えるだけで別の顔を見せる。ボーイッシュに見られやすいチェック柄シャツは裾を正面だけウエストインする「ゆるイン」で、くつろぎムードを呼び込める。ベルトの端を余らせて、無造作に垂らす小技は装いを堅苦しく見せない。シンプルな着映えでありながら、巧みな「はずし」でヌケ感を出すコーデを意識したい。

 16年春夏で急浮上するのは、おしゃれで「遊ぶ」という感覚だ。「楽しむ」を超えて、面白がったりチャレンジしたりするような気持ちでスタイリングを、いい意味の「自分勝手」に組み立てるトレンドと言える。過剰な装飾ではなく、適度な「こなれ感」を重んじ、着心地のよさや気張らない雰囲気を求めるテイストでもある。しばらく続いた、素っ気ない「ミニマル」がようやく後退し、おしゃれを通した自由な表現を応援してくれるようなうねりが盛り上がってきたのだから、この春夏はさらに自分らしさを押し出した着こなしが楽しめる期待が高まるだろう。

文/宮田理江

(画像協力)
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