◆日本の魅力再発見のチャンス
GAS 2016年春夏コレクション
GAS 2016年春夏コレクション
GAS 2016年春夏コレクション
GAS 2016年春夏コレクション

 1984年に最初のブランドコレクションを発表して以来、30年以上の歴史があるイタリア発の「GAS(ガス)」はデニムの表現力に強みを持つ。2016年春夏ウーマンコレクションでは日本にフォーカス。「JAPANESE SHADES(日本の色彩)」をテーマに、東洋ムードを濃くした。ブルーとホワイトの陰影から成るカラーパレットには、タイダイ手法を多用。伝統的な日本の「絞り染め」を連想させるような技術を取り入れている。日本は世界一の高級デニム産地でもあり、絞り染めとデニムを組み合わせた装いそのものが日本の服飾文化の奥深さを示すとも言える。さらに、ヒッピーやフォークロア、ボヘミアン、ロックなどのテイストと重ね合わせ、クールなスタイリングに仕上げて見せた。

 モード界ではこのところ世界的に「日本」が関心を集めている。和柄や着物仕立てなど、ジャパネスクな演出が盛り上がる。織物や刺繍、染めといった日本の伝統的な服飾技法も再評価されてきた。日本人にとって自国の「ファッション遺産」をあらためて知る機会ともなっている。

文/宮田理江

(画像協力)
GAS ⇒ www.gasjeans.com