スーパーミックスでプレイフルに

PINKO 2017年春夏コレクション
PINKO 2017年春夏コレクション

 トロピカルにミリタリー、レディーライク――複数のイメージを大胆にクロスオーバーさせる「スーパーミックス」が盛り上がる。ミリタリー風ジャケットはスタッズをオンして、赤を差し色に加えた。肩からはレディーライクなチェーンバッグを提げ、ムードをねじり合わせている。

 ファーサンダルを夏に持ち込んだ「シーズンレス」の提案も意外感が高い。テイストの種類が増えれば、リゾートルックに見えにくくなる。

PINKO 2017年春夏コレクション
PINKO 2017年春夏コレクション

 デニムジャケットは背中にカラーリッチな鳥の刺繍を特大サイズであしらった。ジーンズにはヒップポケットに重ねてパイナップルを刺繍。トロピカル感を上下に迎えて、ワクワク感を帯びた「デニムonデニム」のコーディネートに仕上げた。一方、バッグや靴では別のムードを投入。全体に遊び心を感じさせるアレンジでまとめた。

華やかさやゴージャス感を演出できるトロピカル

 ピンコは1990年代初めにピエトロ・ネグラCEOとその妻クリスティーナ・ルビーニさんの二人がイタリアで立ち上げた。本国では知らない人はいないほど有名なブランドとされ、さらに世界へ人気を広げている。スパンコールがきらめく「ジェム(=宝石)スニーカー」でも知られる通り、ウエアに加え、アクセサリー、靴、バッグなどを幅広く提案している。ユニークでフェミニンなコレクションが特徴的だ。17年春夏シーズンに向けては、キューバを含むカリブ海から着想を得てグラマラスでエキゾチックな気分をまとわせている。

 トロピカル感を操るうえでは、リゾート風味を濃くしすぎないさじ加減が大切だ。セットアップできちんと感を出したり、ミリタリーと交わらせたりして、トーンを整えたい。17年春夏はおしゃれのボルテージが上がって華やかさやゴージャス感、楽観ムードが強まるから、トロピカルテイストはうまく融け合う。夏を待たずに、春先から試せば、シーズンレスに着こなせそうだ。

文/宮田理江 画像協力/PINKO