rag & bone(ラグ & ボーン)
スポーティーな装いをおしゃれに整える「アスレジャー」がNYを席巻し始めた。だが、モードの創り手はさらにその先を見据える。健やかなイメージや着心地のよさはそのままに、凝ったディテールや大胆なスタイリングで進化系ルックに導く。英国紳士服ライクなテーラーリングを持ち込んで、風格をまとわせた。アスレティックな雰囲気と正統派の仕立てが目新しいハイブリッドを組み上げている。
オフショルダーでの肩出し提案が相次いでいるが、ニットトップスのジップを開いて片方の肩だけをさらすアシンメトリー演出は伸びやかでリラクシング。様々なクロスカルチャーが試される中、モーターサイクル(バイク)の要素を取り入れて、エナジーを注ぎ込んでいる。ミリタリーやワークウエアにも通じるミックステイストはジェンダーの垣根もぼかす。タフネスとフェミニンを巧みに響き合わせ、芯の強さを引き出している。
宮田さんの総括
主なトレンドに共通しているのは、装飾性の高さ。くどさを慎重に避けながらも、華やかさやグラマラス、格上ムードを押し出している。同時に、着心地や動きやすさ、丈夫さといった機能面にも意識が向かう。たおやかさと実用性の両方に目配りする欲張りなバランス感が次の秋冬のおしゃれを彩ることになりそうだ。
文/宮田理江