ゴージャスな一夜にスリルとモードが同居
メットガラは、展覧会の幕開けを祝う大型パーティーだ。デザイナーが大勢出席することもあって、毎回、来場者の装いと顔ぶれは大きなニュースになる。テーブルの席配置はモード界の立場を象徴するともいわれる。ゴージャスの極みと映る、来場者の装いは、そのままではまねしにくいものの、濃度を薄めれば、パーティールックの参考にもなる。
メットガラ当日のサンドラはワンショルダーのドレスをチョイス。まばゆいゴールドの刺しゅうがあでやかでグラマラスなムードを演出。ほっそり感をまとう上で、ワンショルダーは効果が高い。一方、アン・ハサウェイはピンクのドレスに、ケープ風のボレロを重ねて。デコルテが広く露出される服には、小ぶりの羽織り物を重ねたり、ボリュームジュエリーを合わせたりすると、見え具合を調節しやすく、肌見せを抑えられる。
バイク好きという設定のケイトはマニッシュな着こなしが上手だ。シャツの胸元を開け、上から羽織ったベストのボタンをはずして、行動的なムードのレイヤードに。胸元にはネックレスをたくさん重ねて、肌露出を抑えつつ、ワイルド感を醸し出した。手首のブレスレットも重ね着けがアクセントになっている。
スリリングな限界が小気味いい110分
宝石職人アミータ役のミンディ・カリングをはじめ、特別な技能を持つメンバーがチームを組んで、「女優の首からネックレスを盗む」という離れ業に挑む。インド系のカリング、韓国系のオークワフィナ、カリブ海出身のリアーナなど、出演者のダイバーシティー（多様性）に富んでいて、装いもそれぞれの立場や出身を物語る。自分らしいスタイリングの参考にしたいのは、どの出演者も自分の役柄を自然体で装いに写し込んでいる点だ。コツはニット帽やパーカのように、各テイストのアイコン的なアイテムを柱に据えるところ。堂々とした振る舞いがいっそう、ファッションとキャラのなじみをよくしている。
ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが共演した「オーシャンズ」シリーズと同じく、スリリングな展開が小気味よく続く、スカッとする110分だ。キャラの多彩さを、ファッションで巧みに表現しているので、それぞれの着こなしを物語のサイドストーリーとして楽しんでみては。
http://wwws.warnerbros.co.jp/oceans8/
2018年8月10日(金) 全国公開
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
文／宮田理江
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