「ニアカラー」でバランスを取る
似通った色の「ニアカラー」同士をマッチングすると、着姿にリズムが生まれる。ニアカラー同士が互いを引き立て合って、全体にこなれ感が出る。キャメルカラーのワンピースに、ニアカラーを含んだストールを添えたおかげで、装いが弾んだ。トーンを落とした、薄い色のキャメルのストールをまとうことで、ワンピのキャメルとの濃淡が生まれている。シャツに近い白をストールに落とし込んだのも、グッドバランスに導いた。
ワンアイテムの中に、同系色を同居させるという選択肢もある。キャメル系のニットトップスには、身ごろの真ん中に折り紙で作ったキツネの愛らしいモチーフを置いた。キツネモチーフの中に薄いキャメルがあって、地色のブラウン系と響き合っている。1枚の中に濃淡差があると、柔らかい雰囲気が出る。ほのぼのとした生き物柄に、濃淡差がソフトムードを添えている。コントラストの利いたストライプ柄シャツもキャメルのほっこり感を際立たせた。
色使いの引き出しを増やそう
「ユナイテッド カラーズ オブ ベネトン」がこの秋に提案しているのは、テラコッタ、アプリコット、ターコイズ、ベージュを組み合わせた、クリーンな雰囲気の装い。ストライプ柄のシャツを組み込んで、クールな着姿にアレンジしている。ウールのニットが優しいイメージを添えてくれる。
ベージュやグレーは秋冬に重宝する色だが、おとなしく見え過ぎることも。退屈に見せないコーディネートには、落ち着いたトーンを揺さぶる、今回のようなアレンジが役立つ。穏やかな色はオフィスルックにも取り入れやすいから、色使いの引き出しを増やしておきたい。
文/宮田理江 画像協力/UNITED COLORS OF BENETTON.