映画からファッションを学ぶ機会はけっこうあるもの。2016年11月5日から公開される映画『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』もその一つでしょう。今回はファッション・ジャーナリストの宮田理江さんに、ティファニーから学ぶおしゃれについて考察いただきました。

フランチェスカ・アムフィテアトロフ氏 (C) 2016 DOCFILM4TIFFCO LLC a subsidiary of QUIXOTIC ENDEAVORS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 アメリカを代表するジュエリーブランド「ティファニー」の魅力に迫る初のドキュメンタリー映画が製作された。女優オードリー・ヘップバーン主演の名作映画『ティファニーで朝食を』の秘話や、著名人が語るティファニー愛、ブランドカラー「ティファニー ブルー」の誕生エピソードなど、盛りだくさんの内容。知られざるティファニーストーリーはブランドへの親しみを増し、ジュエリーとの向き合い方を深めてくれる。伝説的ジュエラーにまつわる物語はおしゃれを学ぶ絶好の機会ともなる。

映画『ティファニーで朝食を』オードリー・ヘップバーン (C) 2016 DOCFILM4TIFFCO LLC a subsidiary of QUIXOTIC ENDEAVORS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
映画『ティファニーで朝食を』NYのティファニー本店前 (C) 2016 DOCFILM4TIFFCO LLC a subsidiary of QUIXOTIC ENDEAVORS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 本当に逸話が多いブランドだ。筆頭はやはりオードリーだろう。英語の原題『CRAZY About TIFFANY’S』そのものが『ティファニーで朝食を』でオードリーが口にした「I am crazy about Tiffany’s(私はティファニーに夢中なの)」という有名なせりふから取られている。結婚の際に指輪を贈る習慣は当たり前に定着しているが、立て爪のエンゲージリングを考案したのはティファニーだったという事実も映画の中で明かされる。

ティファニー パリ店 (C) 2016 DOCFILM4TIFFCO LLC a subsidiary of QUIXOTIC ENDEAVORS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 優れたデザイナーが歴史を紡いできた。「シンプルであること、それがスタイル」という名言を残したエルサ・ペレッティ。世界で最も知られた「オープンハート」は彼女が考案した。天才芸術家パブロ・ピカソの娘、パロマ・ピカソは父と同じく鳩をモチーフとした。2013年からはフランチェスカ・アムフィテアトロフ氏がブランド初の女性デザインディレクターに就任。ブランドの歴史を受け継ぎつつ、革新的な試みを重ねている。「世界最高のレッドカーペット」と呼ばれるアカデミー賞授賞式ではジュエリーも注目を集める。この映画ではアムフィテアトロフ氏が関わった、授賞式用ジュエリー選びの舞台裏も紹介されている。