「ジレ」で楽しむ大人レイヤード

KARL DONOGHUE 2016-17秋冬コレクション
KARL DONOGHUE 2016-17秋冬コレクション
KARL DONOGHUE 2016-17秋冬コレクション
KARL DONOGHUE 2016-17秋冬コレクション

　ストール、コートといった、割とスタンダードなアイテムに加え、近頃の人気ファーウエアとなっているのがジレ（ベスト）だ。袖がない分、量感が抑えられる長所があり、秋口から春先まで楽しめる。着こなし面でのメリットは大人っぽいレイヤード（重ね着）を組み立てやすいところ。

　ベージュやグレーといったいかにもファーらしい色のベストの内側に、強い色や鮮やか色の長袖トップスを着込んで、濃淡のコントラストを効かせるのが基本的なマッチング。ベストの基本とされる腰丈よりも長いロングジレは縦長イメージを強調。裾の色を切り替えたタイプは着姿にリズムを添える。細身のパンツで合わせれば、シャープに引き締められる。前を開けて着ると、さらにスレンダー感を出せる。

実は着回し度が高いファーのアイテム

　英国発のファーブランド「KARL DONOGHUE」は日本でも知名度が高い。デザイナーのカール・ドノヒュー氏はシルエットやボリュームに新アレンジを取り入れて、ファールックをモダンに整えている。リバーシブル仕様を重要視しているところも着回しのアレンジがしやすく、魅力となっている。ボタン、バックル、ファスナーなどに水牛の角を使っているように、細かいパーツにもこだわりを見せる。裏地にまで丁寧な職人技を注ぎ込んで格別の着心地に仕上げている。

　重たいとか、ゴージャスすぎるといった古いイメージを持たれがちなファーだが、最近は普段使いしやすいデザインが増えていて、デニムやスニーカーなどに合わせる着こなしも人気を呼んでいる。今回紹介したルックのようなアレンジで、手持ちのワードローブにファーを迎え入れると、全く別のムードを引き出せるから、着回しメリットも大きい。

文／宮田理江　画像協力／showroom SESSION