マウイ島のハイライトはサンライズ

 マウイ島観光のハイライトと言えば、やはりハレアカラ国立公園(Haleakala National Park)の山頂からのぞむ日の出でしょう。ハレアカラ火山は世界最大級の休火山。90万年前に誕生したと言われています。「ハレアカラ」とは、ハワイの言葉で「太陽の家」という意味。ここから眺める日の出は格別に違いないと期待が膨らみます。

 午前2時、ハワイなのにダウンジャケットを着こみ、マフラーをぐるぐる巻き、手袋をして、いざ、出陣です。これは決しておおげさなことではありません。標高3055メートルのところに行くので、このくらいの防寒対策は必要なのです。正直、ハワイにダウンジャケットを持っていくとは思いませんでした(薄着の欧米人はいましたけどね!)。

 山頂まで車で行けるという手軽さもあいまって、多くの観光客がサンライズ目的で早朝にハレアカラ国立公園を訪れます。出発から約2時間後、山頂付近の駐車場に到着すると、すでに多くの観光客が集まっていました。

 場所を確保して、ツンと冷気を感じながら、じっと日の出を待ちます。見渡す限りの幻想的な雲海に目を奪われている間に、じわじわと空が明るんできました。

朝日が昇る瞬間。神秘的な真っ赤な光を全身に浴びて、心のエネルギーをチャージ!

 真っ赤な朝日が昇る瞬間、国立公園の職員が太陽の神に捧げるハワイアンソングを歌いあげます。力強い太陽光はもちろん、むくむくと一面を覆う雲海もお見事。標高が高い場所だからこその光景です。天候によっては、雲のない静かな空から、力強い日の出を観賞できることもあるといいます。

完全に日が昇った後、また違った表情を見せる空。ずっと眺めていても飽きません

 日の出から時間が経つと、同じ場所でも違う表情を見せます。完全に日が昇って周囲を見渡すと、暗い時には分からなかった壮大な風景が広がっていました。

「ここは月? 何かの惑星?」と思ってしまうようなクレーターが散在。それもそのはず、ハレアカラは、スタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」のロケ地としても知られています
ハワイとヒマラヤでしか見られないとされる高山植物、銀剣草(ギンケンソウ)を激写! 英語ではシルバーソード(silversword)、ハワイ語でアーヒナヒナ(ahinahina=白髪の人)と呼ぶそうです。そう言われてみれば、白髪にも見えるし、銀の剣にも見えますね
銀剣草の花。手で直接触るのは禁止なので、ズームで近づいて観察。なかなかグロテスクなビジュアルです。花が咲くまでは数十年かかると言われていますが、茎を2メートルほど伸ばしてようやく開花したと思ったら、果実を付けた後は枯れてしまうのだとか
ハレアカラ国立公園のビジターセンターで、もらえる訪問証明書。記念にもらっておきました。銀剣草のイラストが描かれています

マウイ島にパワーをもらいに行こう

 ハレアカラの国立公園は、自然を神秘を感じることができる場所です。今回は、サンライズツアーに参加しましたが、それはハレアカラの魅力のほんの一部。ドラマチックなサンセットと満天の星空を観賞するツアーや、クレーターのあるエリアをトレッキングして自然の壮大さを感じるツアーなど、さまざまな選択肢があります。「次はサンセットを見たいな~」などと、早くも次の旅行のことを考えたくなります。

 サンライズツアーを終えてホテルエリアに戻ってくると、ふと我に返り、何とも言えない充足感に気が付きました。心も体も、大地からみなぎるパワーを吸引し、太陽光のエネルギーを浴び、満ち足りた状態になっていました。そして、ホテルのビーチでチェアに座り、心地よい海風を受けながら、ハレアカラの自然の偉大さをしばし回想……。

 1月~3月であれば、繁殖・子育てのためにザトウクジラがマウイ島近辺にやって来るので、ホエールウォッチングも楽しめます。大海原を悠々と泳ぐ美しい生物を観賞すれば、また違った感動を体験できるはず。大地、海、太陽の力をいっぺんに享受できるハワイ・マウイ島。「またここに戻ってくれば、パワーをチャージできる」と確信しました。

文/鈴木陽子 取材協力/ハワイ州観光局