出会ったのは「兼業マサイ」
「ウォーキングサファリ」とは、基本的には車でしか移動できないサファリの中をマサイ族が歩いて案内をしてくれるアクティビティだそう。マサイ族の暮らしについても教えてくれるのだとか。
誘ってくれたドライバーのジェームスさんに、昨日に続きしつこく「観光客用マサイはいやだよ、本物のマサイがいいよ」と言うと、「偽マサイは市街のホテルにしかいないよ」と言っていました。ついに偽物が存在することを吐いたな?
ということは、今日会えるのは本物のマサイ族……。
ワクワクしながら待っていると、派手な布に身を包み、羊を連れた男が現れました。
この方は、マサイ族のSさん。観光客にマサイ族の理解を促す仕事をしながら、教師もしているそうです。遊牧民ではない、定職を持っているマサイ。偽物ではないので、「兼業マサイ」といったところでしょうか。
ちなみに、背負っているのは、群れからはぐれた家畜のヒツジ。このままだとハイエナに食べられてしまうそうなので、連れて帰ります。
羊を別の人に預けて、ウォーキングサファリに出発です。
Sさんが、歯ブラシに使う枝を切って丁寧に皮をそいでくれました。「作ってみて」と言われ、断れない性格の私は、枝の苦さに耐えながら噛んで歯ブラシを作成。