不倫夫への「神対応」で株を上げた政治家たち

 アメリカでは不倫や汚職などの政治家のスキャンダルに対して、妻が同席して記者会見を行うことは珍しくありません。その理由のひとつとして、夫婦や家族といった関係を重んじるアメリカの社会性が影響していると言われています。3月17日、不倫疑惑が報じられた歌手の石井竜也さんが、妻のマリーザさんと手をつないでマスコミの前に登場したことが大きな話題となりましたが、これにはカナダ出身であるマリーザさんの家族観が影響している可能性もおおいにあるでしょう。

 1998年に、夫であるビル・クリントンさんがホワイトハウス実習生との「不適切な関係」によって大統領罷免の危機に晒された際、ヒラリー・クリントンさんは「夫の行為は好ましくないが、弾劾と結びつけるものではない」とスピーチし、プライベートな問題と政治は別物だと強調。このスピーチが追い風となったのか、その後の弾劾裁判でクリントンさんは無罪となり、2001年まで任期を務め上げました。ヒラリーさんも2001年から上院議員を務めており、今回の大統領選に勝てばアメリカ合衆国初の女性大統領となります。

 また、2月に大々的に報じられた元衆院議員・宮崎謙介さんの「育休不倫」。記者会見に向かう夫に対し「恥をかいてきなさい」と言って送り出したと言われる衆院議員の金子恵美さんについて、ネット上では「肝がすわっている」「かっこいい」と対応を賞賛する声が上がり、金子さんの政治家としての株が上がりました。

 乙武さんの妻のコメントについても、今夏の参議院選挙に出馬が取りざたされていた乙武さんの選挙対策などでは、という声もささやかれており、来月5日に都内のホテルで開かれる予定の乙武さんの誕生日会に注目が集まっています。果たして、乙武さんは、そして妻はどのような発言をするのでしょうか。

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 さて、7カ月に渡ったこちらの連載も、今回を持ちまして一区切りとなります。ご愛読いただき、ありがとうございました。