最新の研究で、よくかんでゆっくり食べると、消費カロリーが増えることがわかりました。実際、ゆっくり食べる人ほど体脂肪率も低いのです。運動しなくてもダイエットにつながる「ゆっくり食べるだけ! ダイエット」のコツをご紹介します! 顔もたるまない! というから必見です。

 「食べるのが早い人は太るというのは本当です」と、東京工業大学大学院社会理工学研究科の林直亨教授が見せてくれた(下図1)。林教授らの実験では、同じ食品を早く食べたときとゆっくり食べたときでは、ゆっくり食べたときのほうが食後の消費エネルギー(食事誘発性熱産生=DIT)が多いことがわかった。

 ポイントはかむ回数だ。ゆっくり食べると、かむ回数が多くなる。かむ回数が多いほど胃や小腸に血液を送る動脈の血流量が増え、その結果、DITが大きくなるという。「1回の食事の後に消費されるカロリーは小さいが、1年間積み重ねれば、体脂肪1.5kg分を消費する計算。300kcalの栄養補助食品でこの結果なので、日常の食事なら効果はより大きくなるだろう」(林教授)。

 女性を対象に、おにぎりで行った別の実験では、食べるのが遅い人ほど体脂肪率が低い傾向があることもわかった(下図2)。あなたの食べる速さはどうだろう。まずはおにぎりをどのくらい時間をかけて食べているか振り返ってみよう。

 明日は「ゆっくり食べるだけ! ダイエット」のコツを紹介する。

図1:新事実!!
ゆっくり食べると消費カロリーが増える
男性10人を対象にした実験。ブロック状の栄養補助食品と水200mlを、早く食べたときとゆっくり食べたときのDIT(食事誘発性熱産生)を比較した。すると、ゆっくり食べたときは、食後90分までDITが高い状態が続いた。(データ:Obesity; 22,E62-E69, 2014)

この差が1年で体脂肪1.5kg分になる!
図2:おにぎりで実験
ゆっくり食べる人ほどやせている!
女性84人が対象。サケおにぎり1個(174kcal)を普段と同じように食べたときにかかった時間や咀嚼(そしゃく)回数を記録し、体脂肪率との相関を調べた。結果、体脂肪率の低い人ほど、ゆっくり食べる傾向があった。(データ:林直亨教授)
この人に聞きました
林 直亨教授
東京工業大学大学院 社会理工学研究科 人間行動システム専攻
早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程中退、医学博士(大阪大学)。大阪大学助手、カリフォルニア大学デービス校客員研究員、九州大学健康科学センター准教授などを経て、2013年から現職。専門は運動生理学、応用生理学、健康と運動・食生活。

取材・文/平野亜矢(編集部)、スタイリング/椎野糸子

日経ヘルス2015年2月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります