たるみの大きな原因に、全身を包み込む筋膜の「よじれ」があった! 長時間の悪い姿勢などによって筋膜の一部分が硬くよじれると、その影響は筋肉にも及び、皮膚が引っ張られて頑固なたるみに。全身の「筋膜リリース」でたるみを元から絶ちましょう!

 全身のあちこちに表れるたるみの一因は「筋膜のよじれにある」と話すのは、約20年前から筋膜に着目してきた、首都大学東京大学院の竹井仁教授。筋膜とは、皮膚のすぐ下から筋線維1本1本にまで入り込み、全身に張り巡らされた膜のこと。「体のさまざまな動きに柔軟に対応する筋膜だが、長時間悪い姿勢のまま座っているなど、偏った負荷がかかり続けると、一部がキュッとよじれて戻りにくくなる。すると、筋膜と連動している筋肉も、また、筋膜の上にある皮膚も動きが悪くなる。たるみは、悪い姿勢によって常に皮膚が引き伸ばされた結果、生じる」(竹井教授)。

 筋膜のよじれをとって滑らかな筋膜に戻す方法として竹井教授が薦めるのが、「筋膜リリース」。中でも下の「座ってできる筋膜リリース」は座ったまま90秒間伸びをするシンプルで手軽な動きだが、「気持ちいい、と感じる方向にじわーっと伸ばすことで、筋膜のよじれがほぐれる」(竹井教授)。

 顔から背中、腰、手足まで、全身のたるみ防止策になるので、仕事の合間に行うといい。

90秒間いろんな方向に伸びをするだけ!
座ってできる「筋膜リリース」

 イスに座り、お尻でイスとの接触を感じた状態で、両腕や上半身、脚をいろいろな方向に自由に伸ばす。両腕と頭、上体が筒のように伸びるのを感じながら90秒間伸ばしていこう。

この人に聞きました
「筋膜博士」こと首都大学東京大学院の
竹井 仁教授
首都大学東京大学院人間科学研究科理学療法科学域、健康福祉学部理学療法学科教授。理学療法士、リハビリテーション修士、医学博士(解剖学)。筋膜に詳しい「筋膜博士」とも呼ばれ、テレビや雑誌でも活躍。最新刊に『自分でできる! 筋膜リリースパーフェクトガイド』(自由国民社)。

取材・文/柳本 操、写真/鈴木 宏、スタイリング/椎野糸子
ヘア&メイク/依田陽子、モデル/島村まみ、デザイン/ビーワークス、監修/竹井 仁

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