肌をはじめ骨や筋肉、血管など、私たちの体のもとになるたんぱく質。そのたんぱく質にダメージを与える“老化促進物質”を防ぐ飲み物として「酢リンゴ白湯」を提案します。

たんぱく質の糖化が見た目の老化を加速する

 肌のハリがなくなってきた、シミやシワが目立ってきた……。そんな加齢による悩みに共通する要因が「糖化」だ。

 糖化とは、たんぱく質と、エネルギーとして消費しきれなかった余分な糖が結合して老化促進物質ができること。「たんぱく質が糖化すると、茶色に変色して硬くなり、本来の機能を失う。例えば、皮膚では弾力が低下してハリを失い、たるみやシワ、シミの原因になる」と同志社大学の八木雅之教授。

 また、加齢で頬骨の量が減ると、眼下がくぼみ、老けて見えやすいとされるが、糖化はこのような骨量の低下にも関与している。ほかにも、血管や筋肉がもろくなったり、目や脳、全身の臓器の老化にも糖化が関連するという。

 糖化による老化の進行スピードをゆるやかにするには、糖をとりすぎないのが一番だが、「生命維持のために、体は糖を多めに摂取しがち。そのため、日常的に糖化を防ぐ食材を積極的にとるように心がけるといい」と八木教授は話す。

朝・1杯の酢リンゴ白湯で肌のハリ、若さをキープ

お湯を注ぐだけ! 酢リンゴ白湯

忙しい朝は、作りおきの酢リンゴにお湯を注ぐだけの「酢リンゴ白湯」がお薦め。体の中から温まって、胃や腸の働きも良くなる。(写真中央)

酢リンゴ白湯が
□ 肌たるみを防ぐ
□ 骨の劣化を防ぐ
□ 血流をアップ
□ 血管老化を防ぐ
□ 血糖値の急上昇を抑える

抗糖化食材は“組み合わせ”で効果アップ!!

 八木教授らは、長年の研究を経て、野菜や果物、ハーブなどのなかに、強力に糖化を防ぐ作用(抗糖化作用)を持つものがあることを見いだしてきた。なかでもこの時期八木教授がお薦めするのがリンゴだ。

 「研究で、リンゴの皮に強い抗糖化作用があることを確認した」と八木教授。この作用は、ポリフェノールの一種であるエピカテキンやフロレチンによるもの。

 ただし、たまに食べるだけではダメ。食事にうまく取り入れて習慣化することが大事だ。「また、一度に一種類だけを食べるのではなく、複数の抗糖化食材を組み合わせてとるほうがいい」。食材ごとの欠点を補いあうため、個人差や“効きムラ”が軽減できるのだという。

 そこで日経ヘルスが提案するのが、リンゴを皮ごとすり下ろして酢と一緒にとる「酢リンゴ」だ。酢には、糖化を防ぐ酢酸が含まれていて、ほかにも「食後の血糖値の上昇を防いだり、血流促進、内臓脂肪の減少、疲労回復効果も望める」(八木教授)。

 一番のお薦めは、お湯を加えるだけの「酢リンゴ白湯」(上部写真・中央)。本誌では、作り方やアレンジレシピを紹介する。

リンゴ1/3~1/6 個で抗糖化作用を発揮!
リンゴ1/3~1/6 個で抗糖化作用を発揮!
皮の部分に抗糖化成分が多い
この人に聞きました
八木雅之チェア・プロフェッサー教授
同志社大学 生命医科学部糖化ストレス研究センター
臨床検査機器、健康食品素材メーカーで抗糖化素材の開発などを担当後、2011年より現職。糖化ストレス対策やAGEsの測定法の研究、アンチエイジングや疾病予防としての抗糖化の普及啓蒙活動を進める。

取材・文/茅島奈緒深 写真/福岡 拓 スタイリング/三谷亜利咲 撮影協力/UTUWA 構成/堀田恵美

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