AIDMAとは、消費者の購買決定プロセスを表すモデルの一つ。消費者はまず、その製品の存在を知り(Attention)、興味をもち(Interest)、欲しいと思うようになり(Desire)、記憶して(Memory)、最終的に購買行動に至る(Action)と考え、各プロセスの頭文字をとって、AIDMAと呼んでいます。

 このAIDMAのプロセスを、私たち消費者は無意識にたどっています。たとえば、新発売の口紅があったとしましょう。テレビCMや雑誌の広告などを見て「こんな口紅が新しく出たのか」と、その口紅の存在を知ることがAttention(注目)です。広告に起用されている女優さんのイメージ、あるいは色合いの美しさや「うるおい長続き」などの特長によってInterest(興味)、Desire(欲求)へと展開し、おのずとMemory(記憶)まで進みます。そして、実際に化粧品売り場に行って買う、Action(行動)に到達するわけです。

 もっとも、人によってはAttentionで終わったり、InterestやDesireまで進んだけれども何らかの理由でActionを起こさないケースもあり得ますが、製品を売る側はこのプロセスを基軸に、さまざまな戦略を立て、購買行動へ導こうとしています。

 また、製品やサービスの多様化にともない、定番とされてきたAIDMAに当てはまらないケースも増えており、プロセスモデルの細分化が進んでいます。実店舗に足を運ばずにインターネットを介して買い物をするネットショッピングもその一つ。この場合は、AIDMAのDesireがSearch(検索)に置き換わり、結果を受けてただちにActionに進み、さらにSNSなどを介して購入実績をShare(共有)に至るプロセスモデルが一般的です。

 これらの購買決定プロセスを知っておくと、今、自分がどの段階にあるのかを客観視でき、購買の是非を冷静に考えるゆとりが生まれやすくなります。広告のイメージや店員のセールストークに惑わされ、急激に高まった興味や欲求だけで行動しようとしていないか、振り返りの習慣をつけることで、不必要なものは買わずに済むはずです。