日経WOMAN投信大賞【大賞】「セゾン資産形成の達人ファンド」

セゾン投信 代表取締役社長 中野晴啓さん
セゾン投信 代表取締役社長 中野晴啓さん

――17年に続いての大賞受賞、おめでとうございます。

 ありがとうございます!

 「セゾン資産形成の達人ファンド」(以下「達人ファンド」)は、日本を含む世界中の株式に投資するファンド(投信)です。「投資」というと日本の会社の株を買うことだと考える人が多いなか、世界中の株式に幅広く分散投資する「達人ファンド」が大賞に選ばれたことは、資産形成における“国際分散投資”の重要性を知ってもらうよい機会になると喜んでいます。

――なぜ国際分散投資が大事なのでしょうか?

 日本株への投資だけでは、日本が不景気になって株価が下がると資産も減ってしまいます。地域を分散させて日本以外の先進国や新興国の株式にも幅広く投資することにより、一部の地域の市場は値下がりしてもほかの地域の市場は値上がりするなど値動きが異なるため、全体としてリスクを軽減できます。

 また日本経済だけ見ると長く停滞していますが、世界に目を向ければ伸びている国や地域はたくさんあります。お金を世界中に分散させて、世界経済全体に投資することで、その時々で大きく成長している市場から高いリターンを得ながら、より安定的に運用することが可能になります。

――「達人ファンド」は銘柄を選んで投資するアクティブ型の投信ですが、仕組みがよくわからないという声も聞きます。あらためてどのような運用方式か教えてください。

 市場平均を示す指数の値動きへの連動を目指すインデックス型に対して、アクティブ型は運用会社が独自に運用方針を定めて銘柄を厳選し、指数を上回るリターンを目指して運用します。

 運用方針はファンドごとに異なり、「達人ファンド」はそれぞれの地域で将来性や収益力のある企業を選んで投資し、長期でじっくり資産を増やすことを目指しています。「達人ファンド」は、みずから個別株を保有して運用するのではなく、セゾン投信と同じ理念で株式を選別投資する各国の優秀な運用会社を選び、その会社のファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」(投資信託を買う投資信託)です。それにより効率的に多数の銘柄に分散投資できる効果があります。現在は9本のファンドを組み入れ、各ファンドを通して世界27カ国、約430銘柄の株式に分散投資しています。

――アクティブ型は運用者の方針や投資判断次第で成績に差がつきやすいと言われますが、運用するうえで重視しているのはどんなことですか?

 企業の価値をきちんと分析し、継続的に世の中に価値を生み続ける企業を厳選して投資することです。投資対象を絞るアクティブ型は、市場全体に投資するインデックス型と比べると値動きが大きく、信託報酬などのコストが高めになります。しかし、本当によい銘柄を選んで投資すれば、その企業が成長し、インデックス型を上回るリターンを得ることが可能です。「達人ファンド」は設定から10年以上の運用実績があり、継続してよい運用成果を上げてきたからこそ、今回の大賞という評価をいただけたと思います。

 ありがたいのは、「達人ファンド」に投資している方から、「私のお金が社会の役に立っていると思うとうれしい」という声を聞くことがあること。特に女性の方は、投じたお金で価値のある事業を応援でき、結果的に経済の発展に貢献できること、同時に自分のお金も育てていけることに意義を感じて、当ファンドを支持してくれる方が多いような気がします。

 投資家の皆さんが、「私のお金が豊かで幸福な未来につながっている」と実感しながら資産を増やせる、そんなファンドをつくることは、運用会社の使命だと考えています。

――「達人ファンド」はiDeCoやつみたてNISAで積み立てることもできますね。

 iDeCoは楽天証券で、つみたてNISAはセゾン投信のほか福岡銀行、熊本銀行、親和銀行、横浜銀行、足利銀行、ゆうちょ銀行(ゆうちょダイレクト)の6行でも積み立てられます。

 セゾン投信はもともと、“国際分散投資”と共に、“長期”と“積み立て”を資産づくりの基本として長期の積み立て投資をおすすめしてきました。実際、お客さまの7割が積み立てで購入しています。iDeCoやつみたてNISAなど、個人の資産形成を後押しする制度が整ったことは、当ファンドにとっても追い風だと思っています。

 ぜひこうした有利な制度を活用しながら、積み立て投資を始めましょう。「達人ファンド」は、コツコツ積み立てた人が全員報われるファンドでありたい。そのためにしっかり運用を続けます。

日経WOMAN 3月号に掲載の特集、「いま買うべき投資信託はコレ!」では、各商品についてより詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。

取材・文/井坂真紀子 写真/小野さやか