2月4日で第6回を数える消費者委員会の「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」で、特定保健用食品(以下:トクホ)に関して、半数の消費者が使用方法に従っていないか、あるいは使用方法を確認していないというデータが明かされた。

 「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」は、特定保健用食品と特別用途食品に関しても見直しの検討をしている調査会で、昨年8月からスタートし、表示や広告、制度運用の見直し、さらには情報開示の問題などについても話し合わっている。2月4日の調査会ではトクホに関する7500人を対象とした一般的消費者意識調査の結果が公表された。調査の結果、使用方法に従って摂取している消費者は全体の3割程度で、使用方法に関する記載があることを知らない消費者も2割程度存在し、さらに半数以上の消費者が使用方法に従っていないかもしくは使用方法を確認していないという結果となった。

 また「言い切り型の「脂肪の吸収を抑える」という表示は、「脂肪の吸収を抑えるのを助ける」といった言い切り型でない表示と比べて、高い効果が得られることを示していると思いますか」という質問に対して50%がなんとなくそう思うと回答したことに対しては、業界団体側から「誘導尋問のように思える」といった意見もだされた。さらに、「トクホのメカニズムはあくまでも推定で、それを切り出した形でイメージとして消費者に伝わっている」といった見解も示された。

 一方、「特別用途食品制度に関する検討会」も2月9日に第1回がスタートした。座長は神奈川県立保健福祉大学学長の中村丁次氏、座長代理は国立健康・栄養研究所食品保健機能研究部部長の石見佳子氏。検討会は10人の委員で構成され、アカデミアや医療、業界団体、消費者団体の各代表が委員を務める。「えん下困難者用食品の区分に応じた許可表示の見直し」、「とろみ調整食品の規格」に関してはワーキンググループを設置し、その報告を踏まえて本年秋を目処に報告書を取りまとめるとした。さらに、糖尿病食などの新たな食品区分を追加する仕組みの整備も検討する。病者用食品に関して、「低ナトリウム食品」「低タンパク質食品」などは栄養強調表示で表記できるため対象から外れてはいるが、今後、特別用途食品の見直しを検討する上で栄養強調表示のすみ分けをどう考えるのかも論点の1つとなりそうだ。

寄稿:フリージャーナリスト/継田治生