電通の機能性表示制度専門チームは、2015年4月にスタートした機能性表示食品制度に関して、消費者の意識やニーズを探るため、20~60代の全国の男女1000人を対象に「機能性表示食品に関する消費者意識調査2015」を実施し、10月27日にその概要を発表した。

 これによると(1)消費者による機能性表示食品制度の認知度は79.1%だった、(2)興味や関心があるのは全体の40.0%、(3)現時点でのユーザーは、トクホユーザーとの重なりが大きい、(4)トクホに比べると、国の承認ではないという点での安全性評価、信頼感が低い、(5)健康に良いとされる食品に支出できる金額の月平均は3210円、(6)機能性表示制度を知ったきっかけは、テレビ番組と店頭で見た実際の商品だという、(7)健康機能のある食品で得られる効能効果で関心が高いものは、男性は内臓脂肪・体脂肪・疲労、女性は疲労・免疫・骨――といった結果となった。

 なお、機能性表示食品制度は、スタートから約半年の10月29日現在で、すでに118品の届出情報(うち2件は取り下げ)が公開されている。

 制度開始から24年が経過した特定保健用食品(トクホ)が2015年2月時点で1144品目が承認され、6250億円の市場規模を形成している事と比較しても、新たな市場が急速に形成されていると言えるのではないだろうか。機能性表示食品は11月末までに102品目が販売される予定だ。

 また、注目されていた「生鮮食品」でも「三ヶ日みかん」「大豆イソフラボン子大豆もやし」が届出受理され、今後に期待が寄せられる。

 機能別に見ると、内臓脂肪対策をうたうものが数多く出されており、広告コミュニケーションも活性化し一つのセグメントを形成しつつある一方で、従来のトクホでは訴求ができなかった「睡眠の質の向上」「目のピント調節機能」「精神的ストレスの緩和」などの機能性をうたう製品も受理され、より幅広い健康増進ニーズをカバーするものになってきている。

(寄稿:フリージャーナリスト/継田治生)