11月5日に機能性表示食品初の農産物「三ヶ日みかん」の初荷・初セリが大田市場(東京都・大田区)で行われた。当日は朝6時半から三ヶ日農業協同組合関係者が市場関係者へのアピールのためのブースを設け、試食には多くの市場関係者が訪れた。

 三ヶ日みかんは、β-クリプトキサンチンが機能性関与成分。「本品には、β-クリプトキサンチンが含まれています。β-クリプトキサンチンは骨代謝のはたらきを助けることにより、骨の健康に役立つことが報告されています」と表示される。この成分の含有量は、糖度に比例することが判明している。今年度は全ての出荷で機能性表示が可能な糖度が確保できそうだとのこと。ただし、実際には販売店で袋につめかえての販売になるために、この中で実際に機能性表示をして販売されるものがどれくらいの割合になるのかは現状では把握できない。

 つまり機能性表示ができるが小売店の判断で機能性を表示せず、そのまま普通のみかんとして売られるケースもかなりあるだろうとの予想だ。ちなみに機能性表示する場合の小分け用の袋は三ヶ日農業協同組合で一括管理しており、小売店からの要望があった場合に限って、きちんと契約を交わしたうえで出荷する。ここには三ヶ日農業協同組合側もかなり慎重で、当日は小分けに関しての注意のチラシも製作して配布した。

 今年は10月末の時点で例年に比べて20%ほど降雨量が少なく、三ヶ日みかん自体、かなり味が濃くなり、糖度も上がった。酸味もほどほどでバランスが良く、三ヶ日みかんらしい味に仕上がった。また秋が早く来たために、例年より1週間ほど早く色づき、台風もなく外観も非常に良い出来栄えとのこと。

 初値は、例年よりも20%程高くついた。これは機能性表示ということではなく、糖度が昨年よりも0.5度~1度高く、色もきれいに仕上がっていることによるもの。今のところ小売店さんの声は、まずはみかん自体の中身を見て良いもの売り、そのプラスアルファーとして機能性表示も考えていきたいといった声が多いとのことだ。