自分が仕事大好きなら、同じようなタイプを選ばない

――これから結婚を考えている独身女子にもぜひアドバイスを。「家事・育児に主体的に関わってくれる」パートナーや主夫になってくれる男性の探し方を教えてください。

白河 男の「稼ぎ力」だけを見ないことです。そして、自分が仕事大好きなら、同じようなタイプを選ばないほうがいい。「両雄並び立たず」といわれるように、ぶつかってしまう可能性が高いんですね。最も大切なのが「柔軟性がある」ことだと思います。最初から家庭的でなくても別に構わない。柔軟性があればどうにかなるものです。

 そして、もうひとつ欠かせない条件があります。それは、「ムダなプライドを捨てることができる人」ということ。キャリアのある女性たちは、「男のプライド問題」で悩んだり、傷つけられたりすることが多いんですね。「拗ねられてしまうのが面倒くさい」と、結婚から背を向けてしまうケースもありますが、ムダなプライドをすっとうまく捨て去ることができるタイプもいるんです。そういう観点で相手探しをみてはいかがでしょうか?

――ありがとうございます。最後に読者にメッセージをお願いします。

白河 この本を書くにあたり、いわゆる「男女逆転」の世界を取材したことで、今まで見過ごしてきたものがたくさん見えてきました。女の専業主婦と男の専業主夫は表裏一体ではなかったし、互いが感じている不自由さが見えてきた。

 本の中で、小島慶子さんと対談した時に、2人で出した結論としては、「互いにこれまでやってきた“不自由さの罠”に落ちないようにしよう」ということでした。自分のお母さん世代の“昭和の母親像”を参考にしたり、そのまま男性に押し付けるのではなく、「そっちに行ったらまずいよ」ということを互いに言い合って手を取りながら進んでいくことで、不自由さから抜け出していこうと。

――今まで妻が負担してきた辛さをそのまま夫が負担する「主夫」では、同じ悲劇を繰り返してしまうし、意味がないですものね。

白河 いろんな夫婦のカタチがあっていい選択肢が増えることが大事です。状況に応じて話し合いながら、役割や分担具合を柔軟に変えていけるのがいいと思っています。

変更履歴:公開当初、撮影者名に誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです 2016年1月15日)。