SMAP解散報道で話題になっている組織での派閥争い。派閥争いは決して他人ごとではありません。職場や家庭、友人関係…意外と身近な現場で頻発しているものなのです。そんな争いの中でもスマートに生きる方法とは? 女性も長く働き続ける上で知っておきたい「組織での生き抜き方」について、放送作家で戦略的PRコンサルタントの野呂エイシロウさんにご寄稿いただきました。

 当然のことながら人間は一人では生きてはいけない。もちろん、無人島で一人という選択肢もあるが、多くの場合は家族やグループ、組織で成り立っている。今回のSMAP解散騒動では、さまざまな情報が伝えられているが、騒動のきっかけになった大きな原因の一つは会社の派閥争いと聞いている。

 組織というグループである以上、分裂や人間関係で問題が生じるのは仕方がないこと。飽きてもくるだろうし、加齢とともに考え方も変化する。

 会社ならなおさらだ。自分が出世をすることもあるだろう。自分に部下ができれば、派閥ができるかもしれない。組織改編やM&Aなどもあって、見知らぬカルチャーの人々が入ってきたり、他の会社からすごい経営者がやってきたり、なんてこともあるかもしれない。

 実は、派閥争いは家庭の中にもある。子どもがいれば夫婦間の勢力争いが派閥争いのようになるかもしれない。二世帯住宅問題で揉めている人もいるだろう。2人家族よりも、6人家族の方が、派閥争いになりやすい。

 派閥争いになったときに、危険なのは板挟みになることだ。職場なら、前ボスのほうにつくのか、現ボスのほうにつくのか。家庭なら、両親のほうにつくのか、それとも配偶者のほうにつくのか。

 ボクは人との付き合い方でよく指摘するのだが、「人は所詮分かり合えない」ということを前提に付き合えばいいのだ。「あの人は私のことを分かってくれる」と思ってその派閥についていくと非常に痛い目に遭うことがある。

 人は分かり合えない。だから組織が分裂することもあれば、離婚することもある。仲良しグループだってちょっとしたことで派閥分裂をする。一流企業だって倒産することあるし、分裂することもある。そんな前提で生きていれば、いざというときに困らない、と思うのだが…。SMAPも会社も、派閥争いで解散するときはするし、しないときはしない。心配してもどうにもならないから、人の心配をする前に、もっと自分の身の回りを心配したほうが懸命かも。そこで、身近な派閥争いに巻き込まれないための対策をちょっと考えてみた。