今年のハロウィン、楽しみましたか?仮装して出掛けたりしないまでも、ちょっとしたグッズや食品を買った人は多いのではないでしょうか。この2~3年、急激に盛り上がっているこのイベント、経済効果の伸びもすごいものがありました。日本証券アナリスト協会検定会員の頼藤太希さん、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに聞きました。

 日本中、仮装した人で溢れる日と言ったら、10月31日の「ハロウィン」というのが一般的になってきています。今年も、東京・渋谷や六本木の街などは、外国人含め、仮装した男性や女性、大人から子どもまで大行列でした。さらに、“おじいちゃんおばあちゃんの原宿”と言われる巣鴨もハロウィン仕様となっていたのには驚きでした!

 ちなみに、日本に「ハロウィン」の認知度が本格的に高まったのは、東京ディズニーランドが「ディズニー・ハロウィーン」を初めて開催した1997年が契機と言われています。

4年で2倍! 2015年の「ハロウィン」の市場規模は1220億円

 さて、年々、市場規模の拡大が続く「ハロウィン」ですが、2015年はその推計が1220億円とのこと。日本の総人口は、約1億2685万人(9月1日現在[総務省統計局])なので、「ハロウィン」では、日本人全員が1人約1000円使っていることになります。なお、2011年時点では560億円の推計市場規模だったので、わずか4年でその2倍以上になっています。

 この1220億円という金額は、日本記念日協会が推計を行っているもの。「クリスマス」の7000億円にはまだ遠いですが、2位のバレンタインデーには迫る勢いです。「ハロウィン」はまさに、クリスマスに次いで大きなイベントになりつつあります。

日本記念日協会の推計<2015年>

2月14日「バレンタインデー」:約1250億円

10月31日「ハロウィン」:約1220億円

12月24日-25日「クリスマス」:約7000億円

 ちなみに、これ以外で市場規模の大きな記念日には、「母の日」(1120億円)があります。

「ハロウィン」が日本で大爆発した理由

 ハロウィンがこんなに急激に広がっているのはどうしてなのでしょうか。

 まず押さえておきたいのは、日本人は生粋のお祭り好きであるということだと思います。「クリスマス」や「バレンタインデー」といったイベントが欧米から伝わってくるより前から、お祭りや花火大会などが日本中で行われていたのです。日本人は、子どもから大人まで、老若男女楽しめるイベントが大好きなのです。

 こういった背景を踏まえて、「ハロウィン」が大爆発した要因を見ていきましょう。 いろいろな分析がありますが、次の5つの面が大きいのではないかと思います。

1.老若男女すべての人が参加できる

 特定の人だけに関係のあるイベントではなく、誰でも関わりが持てるイベントであること。参加の方法も広く、仮装しなくても、グッズや食事など、さまざまな形があります。

2.企業が参入する余地が広い

 ハロウィンは、パッケージ、メニューなど、多種多様な形で商品に落とし込めるので、多くの企業や店が関連商品を出しています。

3.「特別なイベント」体験を共有できる

 若い世代は「物欲が少ない」と言われますが、一方で、単価が高くても共有できるような特別なイベントに対して、お金を使う傾向があります。「カラーラン」「ゾンビラン」などのランイベントも大人気ですが、ハロウィンも、「仲間と盛り上がって発散できる」という面が、参加者急増の要因だと思います。

4.「仮装」という非日常感

 コスプレを楽しい、やってみたいと思う人は多いでしょう。普段できない格好も、ハロウィンならできます。アニメ大国かつコスプレ大国である日本のカルチャーにマッチしたのではないでしょうか。

5.SNSで発信したくなる

 ハロウィン関連のイベントや商品は、SNSでアップするにはもってこいの素材。誰かに伝えたいというSNSの世界には絶好のチャンス。

 他にもまだまだ要因はありそうですが、「ハロウィン」が大爆発したのは、起こるべくして起こったといえるでしょう。