最近、よく耳にするのが「主夫」という言葉。イクメンでもカジメンでもない。「家庭のなかで家事育児を中心的に担う」人だ。そんな主夫たちが主催した「主夫志望男子」×「働き女子」の婚活イベントがあるという。いったいどんな催しなのか。彼らの実態を探るべく、イベントを訪れてみた――。

「主夫志望男子」×「働き女子」の婚活イベント、その内容とは?
「主夫志望男子」×「働き女子」の婚活イベント、その内容とは?

 ダイバーシティや女性活躍に先進的な企業を取材していると、必ず出てくるキーワードがある。それが、「男性の家庭進出」だ。女性が働き続けられるように、いくら制度を整えても、夫である男性たちの働き方を変えない限り、女性の家事育児や介護にかかる負担は減らせない。そうした流れを受け、政府主導による「ゆう活」や、一部の企業では残業をなくすといった取り組みも進んでいるが、まだまだ大手企業を中心とした動きであり、依然として働きにくさを感じている女性も少なくないだろう。

 「イクメン」「カジメン」などの言葉もずいぶん浸透してきたが、やはり世間一般の「家事や育児は、妻が中心となって担うもの」という固定観念は、なかなか変わるものではない。その結果、後ろめたさを抱えながら働き続けていたり、昇進を打診されても「自分にはとても無理……」と諦めてしまうケースも、後を絶たない。

 そんななか、最近話題になっているのが「主夫」という存在だ。共働きが当たり前という意識が浸透している若い世代などには肯定的にとらえられているが、「男は仕事、女性は家庭」という価値観の強い層からは、風当りが強く、誤解を生みやすいのも事実。

 内閣府の「女性の活躍推進に関する世論調査」(2014年)では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に対し、「反対」49.4%、「賛成」44.6%という結果が出た。反対が賛成をやや上回っているものの、内心、「自分の家庭となると別」と思っている人(特に男性)も少なくないのでは? と感じるのは、考えすぎだろうか――。

「主夫」に対する関心が高まるなか…

 今年10月には、こんな議論がネット上を賑わした。「専業主夫は“ヒモ”なのか」。きっかけは、『モーニング・ツー』で連載された東村アキコさんの『ヒモザイル』という漫画だ。夢はあるが経済力のない男性たちに家事スキルをたたき込み、経済力のある働く女性たちに送り込むという“ヒモ男”養成実録ルポだという。しかし、この内容について「配慮に欠ける」と批判が続出。主夫を「ヒモ」として扱ったことで、「家事育児を労働と認めていない」といった声や、「専業主婦のことをヒモだと言っているのと同じ」などといった批判も飛び出し、結局、連載は中止された。

 「主夫」に対する関心が高まる中、「主夫を志望する男性」と「働き女子たち」が集まる独身限定ワークショップ&婚活イベントが開催されるという。その名も「秘密結社 主夫の友が提案する、新しいワークショップ『主夫志望男子と働き女子のハッピーワークショップ』。なかなか実態がつかみにくい「主夫」という存在、そして「主夫の友」とは、いったいどんな人たちなのだろうか。早速イベントを訪れてみた――。